5月のゴールデンウイークに、能登半島支援で輪島市へ行きました。ボランティアの人影はまばらで、支援者の足は関心の低下とともにむしろ遠のいているようです。そして春らんまんの青空の下、手付かずの倒壊家屋が3カ月前と変わらぬ姿でそこにあります。
石川県の4月12日の調査では全壊が8241棟、半壊が1万5326棟、一部破損が5万3011棟と膨大です。それをカバーする仮設住宅の着工戸数が4600戸、完成はその1割程度であり、行政の窓口には長引く避難所生活と生活再建に不安を抱えた人々が押し寄せています。
今回、私たちは第15次支援として輪島市門前町でボランティア募集のボトルネックとなっている被災現地での宿泊問題を解消する「ボランティアセンター」を行政・社協・支援団体・東京同友会の連携で開設しました(同友会は冷房や電気設備、各種備品などを担当)。今後もこの施設を拠点に輪島地域の復興を応援する取り組みを続けていきます。(ぜひご協力を!)
支援活動を始めて120日、現地の行政や市民の方々との絆とパートナーシップが育ち、同友会をあてにしてくださる方も増えてきました。
また、石川同友会の皆さまと例会で触れ合う機会もあり、地域の雇用のためにカキ養殖を復活させた若手経営者や被災者の雇用の受け皿となりトートバッグをつくっている方など、個々人で熱く奥能登を支援している方のお話を聞き、勇気づけられる思いがしました。これから課題満載の中を復興に向けて能登の人々は立ち上がっていきます。その助けに同友会がなれることを祈り、活動を続けていきます。
(一社)東京中小企業家同友会 事務局長 林 隆史
「中小企業家しんぶん」 2024年 5月 15日号より