会員企業の教育力に驚きの声~福山支部が特別支援学校教員の企業見学ツアー【広島】

見学の様子

 広島同友会福山支部バリアフリー委員会では8月10日、特別支援学校の先生方を対象に、会員企業を見学するバスツアーを初めて開催しました。

 このバスツアーは、企業と学校との交流に加え、先生方に地域の中小企業の仕事を実際に見てもらうことで、働くことへの具体的なイメージづくりに役立てればとの趣旨で企画したもの。訪問先の企業は、製造業やサービス業などの4社。これから雇用を検討したい企業や、すでに卒業生が活躍している企業など、企業としての立場はさまざまでした。

 今回、交流した広島県立福山北特別支援学校は、小・中・高あわせて239名(5月1日現在)の知的障害を持つ生徒児童が在籍し、教員数は114 名。当日は43名の先生と会員12名が参加しました。ものづくりの現場を目の当たりにした先生方からは、「大企業で作られていると思っていた物が、進んだ技術で作られていた」「私たちももっと企業を知らないといけない」「枠の中だけのものの見方、考え方を少し変えてくれる気がした」などの感想が寄せられました。

 一方、自社での雇用は難しいのでは、と考えていた会員も、先生から「こういったことが得意だから、こんなふうに仕事を分けてみては」とのアドバイスがあり、自社を見つめ直すきっかけとなりました。

 最後に訪れた企業では、同校卒業生2名が自分の仕事について報告しました。直接指導を行っていた先生は、社会の中で立派に働く姿を見て、「見違えるほどに成長した」と涙ぐむとともに、企業の教育力に驚いていました。

 学校でも企業でも、共に育ちあっていくことの大切さを共有した1日でした。相互に連携していくことで、誰もが安心して暮らせる豊かな地域をつくる歩みは始まったばかりです。

「中小企業家しんぶん」 2010年 9月 5日号より