【経済データを読む】黒字企業の割合

 2010年度税務申告の内容が10月11日に国税庁より発表されました。それによると、黒字企業の割合は0.3%減少して25.2%になり、3年連続の減少。TKC(税理士・公認会計士の団体)のデータでも黒字企業の割合は、2008年48%、2009年42.8%、2010年40.4%、2011年41.8%と減少傾向にあります。

 歴史的にさかのぼれば1950年代は高度成長に入り、今とは反対に70%が黒字で、1960年代も60%以上黒字でした。1973年の第1次のオイルショックを受けて1975年に50%台に突入し、1980年代は45%前後で推移しました。バブル景気時の1989年から1991年に50%台を回復するも、バブルが崩壊して1992年に再び40%に入りました。1994年には30%台に入り、2008年のリーマンショックから20%台に突入しました(表)。

 環境変化にさらされるとはいえ、長期にわたる黒字企業の減少は日本経済の縮小を意味します。また、3.11大震災を受けての被災地域の再建でも、赤字企業には援助しないとの銀行の姿勢が鮮明です。

 10月12日に発表されたOECD報告書では、「日本の幸福度」がさらに下がって、平均値で加盟34カ国中19位になりました。7月の生活保護も前月から8903人増の205万495人と、戦後最多水準の1951年(204万6646人)を超えました。世帯数も148万6341世帯と過去最多を更新し、貧困な人が増えていく結果にも反映されています。企業数を増やすことと黒字企業を増やしていく必要性が見えてきます。

表 黒字企業の割合

「中小企業家しんぶん」 2011年 11月 25日号より