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【特集】2012全国広報・情報化交流会~中小企業が主役の時代へ「情報創造」を

同友会の発信力を高め地域の未来をつくろう

 9月6~7日、「中小企業が主役の時代へ『情報創造』を~同友会の発信力を高め地域の未来をつくろう~」をテーマに2012全国広報・情報化交流会が大分で開催されました。問題提起の要旨を紹介します。

【問題提起】同友会の発信力を高め、中小企業が主役の時代を

中同協副会長・情報化推進本部長 中村 高明氏
(福岡同友会代表理事、(株)紀之国屋代表取締役会長)


 中小企業の地位向上、そして「中小企業が主役の時代」を迎えるために、同友会はさまざまな運動を展開してきました。その中でも金融アセスメント法制定運動と中小企業憲章・振興条例制定運動は、「中小企業が主役の時代」の扉をこじ開けてきました。4万2000名の経営者の力が、日本を変革しようとしています。私は同友会のすごさを感じています。

 今、金融アセス運動を風化させることなく、どのような活動が行われてきたのかを学ぶことが重要だと思います。また、憲章・条例運動は、まだ広く国民に知れ渡っているとは言えない現状があり、これをさらに発展させるためには何が必要か。広報・情報化の視点から提起したいと思います。

金融アセスメント法制定運動から学ぶ広報活動

 金融アセス運動を始めた2001年の金融環境は、BIS規制(金融機関などに対して一定の自己資本比率を求めた国際的な基準)や、金融庁の金融検査マニュアルなどの影響により、中小企業に対する貸し渋り、貸しはがしが行われていました。

 そのような中、全国の同友会は、金融アセスメント法(中小企業と地域金融機関の共存共栄をはかるため、地域や中小企業へ円滑に資金供給する金融機関の努力の度合いを評価・公開し、金融機関の選択を利用者の判断にゆだねる仕組みを法制化しようというもの)の制定を求めてさまざまな運動を展開しました。

 外部からの理解を得ていくための広報活動としては、(1)各政党に「金融アセスメント法」に関する公開質問状提出、(2)金融機関との懇談会実施、(3)経営者1万名署名運動、(4)全国100万名署名運動、(5)地方議会意見書採択活動などを展開。「中小企業家しんぶん」 でも金融問題についての連載を行いました。

 その結果、マスコミや参議院財政金融委員会などにも採り上げられ、リレーションシップバンキングの機能が強化され、保証協会が「第三者の連帯保証」をとらなくなるなど、金融行政に大きな影響を与えることができました。

中小企業が主役の時代を築くため

 中小企業憲章制定運動は、2003年の中同協総会(於・福岡)からスタートしました。2008年のEU視察、2010年のアメリカ視察には私も参加し、多くのことを学びました。 そしてご存じのように2010年6月に中小企業憲章は閣議決定されました。

 今年7月に閣議決定された「日本再生戦略」には、日本再生の4大プロジェクトのひとつとして「担い手としての中小企業―ちいさな企業に光を当てた地域の核となる中小企業活力倍増プロジェクト―」が掲げられました。この中では、金融機関との間の取り決めに違反した場合のみ保証責任を負う停止条件付個人保証契約等、経営者本人保証を限定的にするように個人保証制度の見直しを行うことが明記されるなど、画期的なものとなっています。

 これからの運動としては、(1)国会決議、(2)首相直轄中小企業支援会議の設置、(3)中小企業担当大臣の設置及び中小企業庁の省への昇格などを求めていく必要がありますが、当面は国会決議一本にしぼって取り組んでいくことになっています。

 展開すべき広報活動として、会内広報では(1)中小企業憲章・条例推進ハンドブックの普及・活用、(2)会員の理解を促すためのe.doyuでのアンケートとそれをもとにしての情報創造、(3)e.doyuのSNSやFacebookなどを利用しての意見交換、(4)機関紙への掲載などが挙げられると思います。また社員を巻き込んでいくために、憲章についての感想を書いてもらうことなども考えられます。

 当社でも社員に中同協の中小企業憲章草案を読んで感想を書いてもらいましたが、非常に感動的なものがありました。

 会外広報としては、(1)衆議院議員立候補者への公開質問状、(2)参議院議員への公開質問状、(3)地方議会意見書採択、(4)金融アセスメント法制定と併せての署名活動、(5)マスコミ懇談会、(6)他の中小企業団体との連携、(7)ホームページへの掲載などが考えられるのではないでしょうか。

 憲章の国会決議を行うことができれば、「中小企業が主役の時代」にずっと近づいていくことができます。ぜひ金融アセス運動の際と同じように、全国同友会が力を合わせて、一斉に広報活動に取り組んでいきましょう。

産官学一体で地域づくりを

 中同協の中小企業憲章草案には、「国民は中小企業が地域の資源活用・雇用・納税・地域づくりなどをとおして地域社会とのきずなを強め、地域経済振興に貢献することを支持する。そのために地方自治体が中小企業振興基本条例の制定・見直しをすすめ、地域経済を活性化することに期待し奨励する」とうたっています。

 また、中小企業基本法の第六条には、「地方公共団体は基本理念にのっとり、中小企業に関し国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的・経済的社会諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」と掲げられています。

 これだけ地方経済が痛み、元気がなくなってきている中で、産学官が一体となって地域づくりに取り組んでいくことが欠かせません。中小企業振興条例制定・推進は、その大きな柱となるものです。

 条例運動を一層推進するために考えられる広報・情報活動としては、会内には(1)支部・地区別の学習会開催、(2)支部・地区別の条例制定担当組織の編成など、会外には(1)商工会議所、商工会との連携、(2)地方行政のトップ、商工部との交流、(3)地方マスコミとの懇談などが挙げられます。

広報・情報化は最強の組織をつくる

 今後の行動指針として以下の7点にまとめてみました。

(1) 現状を伝えるだけではなく、会の目的・方針を踏まえ戦略的に発信して行く。
(2) 中小企業家の声の集約など独自の情報を集め、「情報創造」によって世論を形成する。
(3) 主体である代表役員、広報や情報化に携わる役員や事務局が常に時代認識を持つ。
(4) 行政やマスコミとの人間関係を構築して行く。
(5) 愛知同友会のように広報・情報・報道の三位一体の組織づくりを目標に、組織整備をしていく。
(6) 私たちが歩く広告塔として同友会理念を地域に広げる。
(7) 同友会での広報・情報化活動を自企業に取り入れる(広報・情報化活動と企業経営は不離一体)。

 広報・情報化は組織力を高め、最強の組織を作ります。そして世の中を変革する重要な戦略のひとつです。これからもおおいに力を注(そそ)いで取り組んでいきましょう。

「中小企業家しんぶん」 2012年 10月 5日号より

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