【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】9
1、経営方針の意義
経営方針は経営理念の徹底とその具体化、創造的実現を目指して、中期(3~5年)のあるべき姿と目標を示し、それに到達するための道すじを示すものです。中期の目標を設定するためには、世の中の動き、お客さんの要望、わが社は何が出来るか、わが社の長所、短所の分析などについて、幅広く情報を集めることが重要です。しかしその中でも、同業他社の追随を許さない、わが社独自のものが決定的役割を果たします。目標の設定はそれほど容易ではありませんが、是非とも関係者がワクワクするような目標を設定したいものです。
2、どのような日本社会を展望するか
経営方針の策定にあたっては、どのような日本社会を展望するかが重要です。10年後の日本社会を展望した上で、その中間点としての3~5年後、わが社は何を目標に進むかを考えたいものです。
現在わが国では、国の進路をめぐって、国論が2つに分かれています。従来通りのグローバル化の道を進むのか、日本を今一度持続可能な社会にするかの選択です。10年後には、持続可能な日本社会の構築が、今より一段と進んでいることを期待したいです。
中同協・中小企業憲章・条例推進本部が2011年6月に発表した「中小企業の見地から展望する日本経済ビジョン」はそのような日本社会を展望する上で、大変参考になります。経営方針を策定する場合、是非ご一読下さい。
3、企業変革支援プログラムの活用
企業変革支援プログラムステップ1、ステップ2では、経営方針を策定するにあたって、留意すべき点をいくつか指摘しています。
(1) 経営方針策定方法として、(1)自社事業分析、(2)顧客ニーズの把握、(3)戦略を考える、(4)経営目標の設定、(5)人材採用と育成方針、(6)自社の後継者と事業承継、(7)策定のルールを例示しています。
(2) 経営者が1人でやるのではなく、全社の知恵と情報を集めて策定することが大切です。
(3) 策定の仕方、情報の活用の仕方について定期的な見直しが必要です。
(有)コンサルタント朋友 代表取締役 奥長弘三(東京)
中同協企業変革支援プログラム検討プロジェクト委員
「中小企業家しんぶん」 2012年 10月 5日号より