中小企業施策「骨太化」の目玉政策

家畜飼料用添加サプリメント

(株)ロム 社長 高谷範子氏(北海道)

 (株)ロムは、北海道の有用微生物に注目し、油分解微生物、廃棄物発酵処理の微生物などの有用機能の研究開発をすすめ、その独自技術をもとに、2003年に設立された会社です。

 今回は(株)ロムをコア企業に、建設関連企業や大学・研究機関、農業生産者などと連携体を構築し、北海道産の微生物の特性・機能を活かした家畜飼料用添加サプリメントの製造・販売を計画。新連携認定で、産業技術総合研究所の中に備えた研究室をさらに有効に活用することができ、また、政府系金融機関の低利融資の支援を受けることができました。

 すでに開発が進められている履歴の明らかな北海道産素材から培養した有用微生物を使用し、このサプリメントを食べて育った家畜製品(肉・卵・牛乳など)の高付加価値化、さらには北海道ブランド化も視野に入れて、国内外のブランド牛・豚の生産者を対象に需要の拡大を目指します。

【会社概要】
設立 2003年
資本金 1800万円
従業員 6名
所在地 札幌市中央区南四西9

鉛を使わない釣り用新型オモリ

(株)フジワラ 社長 藤原鉄弥氏(北海道)

 環境への有害性が指摘されている釣り用オモリの鉛。環境負荷を考慮して、さまざまな工業製品で鉛フリー化が進められる中、(株)フジワラでは、素材に鉛を使わない鋳鉄製の新型オモリの開発に着手することになりました。今回の新連携では、鋳造会社、漁業機械メーカー、そして大学・公設試との連携体を構築し、新型オモリの開発と市場開拓を目指します。

 釣り用オモリの加工技術に強みを有する(株)フジワラがコア企業となり、単なる素材変更にとどまらない、漁業効率向上も視野に入れた新型オモリの開発に挑みます。研究開発の過程では、オモリの流体・形状解析と実験を徹底的に繰り返し、オモリが降下するときの安定性を追求しました。これにより、従来製品よりも降下速度を高め、イカ釣り針の昇降回数を増やし、漁獲効率を上げることも可能となります。また、オモリが真っ直ぐ降下することから、釣り糸の絡みを防止することも期待されています。

 今回の計画では、政府系金融機関の低利融資や補助金、特許料の減免措置などの支援メニューを活用して製品の高度化・量産化に関わる研究開発を行うとともに、漁獲効率向上が期待されるイカ釣分野での国内外の市場に向けたマーケティングを強力に行うことを計画しています。

【会社概要】
設立 1967年
資本金 2000万円
従業員 20名
所在地 北斗市追分3丁目

「中小企業家しんぶん」 2006年 2月 5日号から