中小企業研究の総合化・体系化を【第27回中小企業学会全国大会】

 日本中小企業学会の第27回全国大会が10月6~7日、中京大学名古屋キャンパスにおいて行われました。今回の統一論題は「中小企業研究の今日的課題をめぐって」。統一論題報告が3本、自由論題で25本の報告がされました。そのテーマは、企業間関係やイノベーション、技能・技術、地域活性化、商業問題、金融問題、マネジメントなど多岐にわたります。

 また、「新たな中小企業像(ハイテクスモールビジネス)―日本とフィンランドをめぐって」と題した国際交流セッションも行われました。フィンランドからフィンランド技術庁とサイエンスパークの企業の2人がパネリストで出席。人口518万人のフィンランドでは、最初から国を超えたビジネスを考えており、ニッチマーケットを狙ってパートナーを世界中で探すという戦略である、との興味深い報告がありました。

 統一論題の議論では、中小企業研究が個別的現象をテーマとしたものが多くなる中で、研究の総合化・体系化を試みることが少ない状況にあって、あらためて現段階の中小企業の問題と課題、方法論をめぐって大変活発な討論となりました。

 また、中小企業学会の新会長に、同友会も例会講師等でかかわりの深い三井逸友氏(横浜国立大学大学院環境情報研究院教授)が選任されました。

 なお、今回の中小企業学会に併せて、前日から中同協・企業環境研究センターの先生方を中心に、(株)エステムとオネストン(株)の2社を見学し、愛知同友会会員の先端企業の経営戦略と人材育成に学ぶことができました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 11月 5日号から