福島同友会福島地区の研究グループ会活動に学ぶ

 今年7月に香川で行われた中同協第39回定時総会第3分科会での福島地区の地区づくり、グループ活動についての報告をきっかけに、滋賀同友会では11月14~15日、福島地区の視察を行いました。その様子と福島地区のグループ活動を紹介します。

活気ある地域づくりをめざして~滋賀同友会が福島地区会を視察
福島地区・研究グループ会活動~一人ひとりが主役の活動を


活気ある地域づくりをめざして~滋賀同友会が福島地区会を視察

 滋賀同友会の組織活性問題調査チーム(8名が参加)は、11月14~15日、福島同友会福島地区を訪れ、研究グループ会活動を視察しました。

 滋賀同友会では、2010年までに1200名会員を目指しており、それに向けて福島地区の地区づくりの取り組みに学び、創造的に取り入れようと企画されたものです。

 視察の1日目は、福島地区代表者との懇談会と研究グループ会の視察、懇親会が行われました。懇談会には、福島地区から福原修1地区会長はじめ8名の役員が参加し、福島地区の組織と運営の現状をそれぞれの担当分野から紹介(研究グループ会活動については別掲)。滋賀同友会からは、例会とグループ会の違いやリーダーの育成、会活動への参加率などについての質問が出され、率直な議論が交わされました。その後、3つの研究グループ会を見学。滋賀同友会の参加者からは、「一人ひとりが主役で、顔の見える同友会が実現している」「参加することに目的と楽しみと充実感を持ってもらえる会づくりが必要」などの感想が出されました。

 2日目には、(株)サン・ベンディング福島(千葉政行社長、福島同友会副理事長)と渋谷レックス(株)(渋谷順子社長、福島地区総務副委員長)の2社を見学。1日目に引き続き、福島地区の役員も参加し、社長からの企業紹介のほか、地区役員がそれぞれの社長や会社の紹介をするなど、福島地区の会員同士のかかわりあいの深さが表れた企業見学となりました。


福島地区・研究グループ会活動~一人ひとりが主役の活動を

 福島同友会福島地区には、421名の会員が所属しており、会員同士の学びあいを大切にした地区運営で、福島市内における対企業組織率10%を堅持しています。

学びあいを軸に

 福島地区では、会員を30人ぐらいずつ14のグループに分け、それぞれ「後継者問題」「『経営指針』と向き合おう」など1年間のテーマを設定し学ぶ、研究グループ会活動を行っています。基本スタイルは理事会報告、報告者2人からの報告、全体討論、そして2次会。2次会がグループ討論代わりとなり、お互いの結びつきを深める場となっています。少人数でお互いの顔が見えることから、出席率も高くなっています。

 会員数が増えるにつれ、例会のみでは人的交流が希薄になりがちなことから、例会を補充する身近な親ぼく交流の場として、また会活動の参加率を高め、会の活性化をめざして研究グループ会がスタート。今では、学びあいの基礎組織となっています。2月には研究グループ発表会が行われ、1年間の学びの成果を発表し、優秀なグループには表彰もしています。

 また、例会、専門委員会もそれぞれ月1回行われ、会員にとって月に3回は同友会で学ぶ機会があり、会員の学ぶニーズにこたえる活動になっています。

お祭りは参加した方が楽しい

 各グループには正副グループ長がおり、幹事と共にグループ会を運営。幹事は2~3人1組で毎月持ち回り、企画、案内、会場の手配、出欠確認のほか当日の受付、司会も行います。参加申込先も事務局ではなく幹事の会社宛になっており、グループ会は会員の手で自主的に運営されています。

 運営については、全員配布の地区名簿に、目的や進め方、当日の運営方法などがまとめられており、活動が同友会の3つの目的からぶれないよう工夫もされています。またグループ長は地区の理事も兼ねており、理事会では毎月グループ会の報告を行っています。

 地区役員は、会長、副会長、専務理事の3役のほか、各専門委員会の長、各グループ長、県役員など、会員の1割以上が役員としてかかわっています。各グループ会の幹事を含めると会員がリーダー的役割を果たす機会はさらに広がります。「お祭りは参加した方が楽しい」とは福原地区会長の言葉。そうした雰囲気や固い信頼関係の中で、リーダーが再生産されていく仕組みになっています。

 会員一人ひとりに出番があり、まさに「会員は辞書の1ページ」の活動となっている福島地区。増強にも力を入れており、今年度は、430名会勢の実現と退会数前年度比50%減を目標に掲げています。目標達成はすぐ目の前です。

【地区の概要】
会員数 421名
会長 福原修一(日栄工業(株)社長)
対象地域 福島市、伊達市、国見町、桑折町、飯野町、川俣町(企業数5140社:2005年現在)

「中小企業家しんぶん」 2007年 12月 5日号から