「研究センターレポート」第19集が発刊

人の見える社会づくり―新自由主義的潮流を超えて-

 「研究センターレポート第19集」が中同協から発刊されました。これは、各同友会の運動方針や会員企業の経営方針作成に役立てることを目的として、毎春発刊しているものです。

 今号は、グローバリゼーション進行のなかで著しい地域経済の沈下とその要因を分析。情勢を大局的視点でとらえ、足元の経営資源を見つめ直し、経営戦略を再構築するための素材を豊富に提供しています。分量も例年の倍となり、執筆者、編集部の意気込みが伝わってきます。

 全体は4つのパートで構成され、具体的事例を取り入れた読みやすい編集となっています。

 (1)対談「人の見える社会づくり~本物のライフスタイルの創造」は、吉田敬一駒沢大学教授と赤石義博中同協相談役幹事による問題提起と討論。吉田氏は生産の海外移転という大企業の戦略転換が新自由主義的政策導入の背景にあると指摘。赤石氏は 地域と人のあるべき姿は、そこに住む一人ひとりの人間が平等で自立した人間として尊重され、一人ひとりの顔が見える場であることを前提に、地域を考える9つの視点を提起。

 (2)「世界経済の失速リスク・製品の偽装問題と同友会型経営理論の底力」は小松善雄立教大学教授が執筆。同友会型企業こそ危機突破を可能にすると断言。

 (3)「変化する労使関係の中で『労使見解』の精神で困難な時代を乗り越える」は、永山利和日本大学教授が昨年の中小企業労使問題全国交流会での基調報告に全面的に加筆したものを掲載。

 (4)座談会「2008年をどう迎えるか―景況、経営課題、同友会運動を考える」は、鋤柄修中同協会長、広浜泰久同幹事長が、経営と同友会運動を車の両輪とする決意を述べています。

B5判、176ページ、頒価1000円。お求めは各同友会事務局まで

「中小企業家しんぶん」 2008年 3月 5日号から