だれもが豊かに生きあえる地域を~岩手に「共に生きる部会」

【第14回障害者問題全国交流会 9月19~20日in東京】

 「人間尊重の社会をめざす」同友会の活動が地域から大きな期待を持って迎えられています。ここでは、岩手の活動を紹介します。

毎月の例会では、いつも新鮮な驚きがある

 岩手同友会では今年4月、「共に生きる部会」が発足しました。昨年まで障害者問題委員会として活動してきましたが、「障害を持った方のことをより深く理解し、だれもが豊かに生きあえる地域をつくりたい」との思いで、部会として立ち上げました。

 毎月行う例会では、施設と農産物産直所で共同開店したうどん店、障害者だけで営むカレー専門店、障害者がいつでも気軽に行ける美容室の報告など、尽きない岩手の事例に驚きます。

 例会には毎回、障害者自立支援機関や雇用促進施設、行政やハローワークの担当者も参加します。互いに新鮮な発見があり、会場は盛り上がります。

 ある施設職員は、「経営者の皆さんとテーブルを囲んで本音で語れる場はなかった。毎月本当に楽しみ」、経営者からは「自分から壁をつくっていた。まず職場体験からやってみたい」など、その率直な言葉に、互いの理解の深まりを感じます。

 8月例会では、長年精神障害者の雇用をしてきた自動車整備工場社長が報告に立ちました。

 「20年以上障害者を雇用してきたが、初めて採用したときは社員も地域も皆反対だった。大切なのは経営者がどれだけ本気かということ。障害者も同じ1人の人間、社員と全く変わらない。まずいろいろ考えず採用を。必ず会社が変わるはず」と、続けてきたからこそ言える実感を語りかけました。

 例会の最後に、部会長が「4年後の障全交をぜひ岩手で実現したい」と話すと、全員が拍手で応じました。

 今後は、実際に施設や会社に出かける訪問例会、経営指針や社員教育の実践の中にも位置づけ、地域全体での取り組みにしていきたいと、岩手同友会では考えています。

「中小企業家しんぶん」 2008年 9月 5日号より