「1社たりとも脱落しない、させない」福岡同友会が経営相談室強化

山口義行立教大学教授

 福岡同友会の景況調査(2008年10月~12月期調査・1月実施)でも、1996年の調査開始以来、景況感が最低となり、急激な売上減や新規受注の減少という悲鳴に近い声が会員から出される中、福岡同友会では、会員向けの緊急アピールを1月理事会で発表しました。

 その中で、それまで休止状態だった「経営相談室」を再開し、「1人で悩まないで気軽に相談を!」と全会員に呼びかけました。

 相談室再開にあたっては、正副代表理事に代表理事経験者を加えた相談員組織として機能を強化。仕組みは、事務局を窓口として会員から相談を受け、相談室で内容を整理。その上で、専門的な力が必要なことは、専門家会員に依頼する体制を作りました。

 さらに、この間の活動を通じて培われた信頼関係に基づき、九州経済産業局や福岡県、保証協会、政府系金融機関、地域金融機関などにも相談窓口を設け、担当者を決めて連携が取れるようにしました。

約400名が参加(2月22日)

 2月に再開した相談室には、これまで6名が相談に訪れました。その中で、「緊急保証がゼロ回答になり、どうしようかと1人で悩んでいた。相談後、思い切って社員に状況を話したら、みんなが協力しようという姿勢に変わった。同友会に欠席ばかりしている自分の不勉強を痛感した。今後しっかりと勉強したい」という方や、ネットで検索して相談に訪れ、「このひと月1人で悩んできた。他の経営者に話を聞いて欲しい」とすぐに入会した方もいました。

 相談を通して、もっともっと本音での話し合いと、本気の情報交換の重要性があきらかになりました。

 福岡同友会では、「1社たりとも脱落しない、させない」を合言葉に、この不況を全員で乗り越えていこうと話し合っています。

 2月22日には、「大不況の今、我々は何をなすべきか?」をテーマに山口義行・立教大学教授の講演会を開き、約400名が参加しました。

福岡 求人合同企業説明会

5月26日(火)午後1時~5時
7月14日(火)午後1時~5時
10月24日(土)午後1時~5時
会場…福岡市天神ビル11階10号会議室
福岡同友会(TEL092-686-1234)

「中小企業家しんぶん」 2009年 3月 25日号より