わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ2  その8

経営理念を実践する過程 (1)自社をめぐる情報収集と分析

 今回から「カテゴリーII」の「経営理念を実践する過程(方針・計画策定プロセス)」です。

 このカテゴリーは、時代の変化に対応して、経営を維持・発展させるために、経営指針を成文化して実行していく過程を問うており、経営理念を実践する過程として、経営方針及び計画をどのように策定し、実践しているのかを問いかけています。

 同友会が進めている経営指針(経営理念、経営方針、経営計画)成文化運動では、会員企業が経営指針成文化をすすめる過程で、会員自らの経営姿勢を明らかにし、社内体制を整えていくきっかけづくりを大事にしてきました。

 しかし、経営指針は成文化したものの、「経営指針の見直しをしていない」「実践できる戦略になっていなかった」など、経営指針の実践がなかなか進んでいない現状もあります。

 「ステップ1」のプログラム全体が経営指針の実践の過程を問いかけるものでもありますが、このカテゴリーIIを自らチェックし、自社を見直していく中で、どのようなプロセスで経営指針の実践を進めていけばいいのかが、見えてきます。

 まず、「(1)自社をめぐる情報収集と分析」をチェックしてみましょう。

 経営方針・経営計画を策定する第一段階として、内部環境や外部環境に関する情報の収集と分析が必要ですが、ここでは会社の情報を収集・分析する仕組みがあるかどうかを問うています。

 まず、経営方針・計画を策定する際に、自社の内外に関する情報を活用することが重要であるという認識があるかどうか、この認識がない場合「0」。認識はあっても、情報の活用の知識がなく、方針・計画策定に用いる情報が狭い、または場当たり的な場合は、「1」です。実践に足を踏み出せる経営指針をつくれるかどうかは、この部分ができているかどうかにかかっており、成文化してもここがあいまいであれば、戦略が不十分になり、実践に足を踏み出すことはできません。

「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 5日号より