100年に1度の経済的危機の中、「社員をパートナーに、全社一丸の企業経営を進めよう」と、8月20~21日に「2009経営労働問題全国交流会」が大阪の堂島ホテルで開かれ、32同友会から326名が参加しました。
この交流会は、84年から毎年開いている「中小企業労使問題全国交流会」に、2006年より開催している「経営指針成文化運動交流会」を併設し、企画を担当する中同協経営労働委員会が所管する「労使見解」(中小企業における労使関係の見解)、経営指針成文化運動、企業変革支援プログラムの3分野を網羅する形で実施されました。
今回の交流会は「激動を乗り切る知恵と情熱は、『労使見解』精神の実践から湧き上がる~今こそ企業を守り、雇用を守る経営指針と企業変革支援プログラムの実践を」がメインテーマ。
1日目全体会では、「いま雇用に何が起きているのか~恐慌が崩れた雇用を直撃する」と題して、関西大学教授・森岡孝二氏が基調講演。労働者派遣法の雇用への悪影響を指摘しつつ、中小企業の保護育成こそが景気回復の決め手であり、雇用を増やすカギであることを、調査にもとづき強調しました。
問題提起に立った中同協相談役幹事・赤石義博氏は、労使紛争で生産活動もままならない時代に、「労使見解」が成文化されるまでの13年間は「全社一丸体制づくり」を切望する過程であったことを紹介。参加者に「実践的哲学者、経営戦略家、経世家」になることを提起しました。
その後、「労使見解の実践」「経営指針成文化運動」「企業変革支援プログラム」「PDCAが回る企業づくり」の4つの分科会が開かれ、参加者は報告を受けて、グループ討論で深めました。
2日目は分科会の後、全体会で、前日の4つの分科会の座長をパネリストに、大野栄一・中同協経営労働委員長がコーディネーターをつとめてパネルディスカッションを行い、「労使見解」を実践するとはどういうことかなど、深めました。
大野氏は「景気回復のカギは中小企業が雇用の担い手として役割を果たすこと。経営指針を右手に、労使見解を左手にこの逆境に立ち向かっていこう」と呼びかけました。
「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 5日号より