わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1 その11

[2] 経営理念を実践する過程 (4)経営方針と経営計画の実行と評価

 経営理念をつくって、方針を策定し、計画を実行する。それがどのように実行され成果や教訓を生み、次につないでいけるのか、時代に合わせて変化していける企業に成長させるためには、自社を冷静に見て客観的に評価し、次の戦略を構築することが大切です。

 リーマン・ショックから1年が経過したものの、中小企業にとっては厳しい経営環境が続いており、経営者にとって、動揺する事態が多発することも想定されます。しかし、そういうときこそ同友会。例会で学ぶこと、多くの経験を持つ経営者がそこにいます。

 このステップ1で自社を自己評価し、課題明確にして臨みましょう。

 中同協ではこの11月を企業の健康診断月間と位置付け、「さらなる変革を図る契機」とすることを呼びかけています。

 この項目では、経営方針に基づき立てられた経営計画を着実に実践するために、それらを全社員に伝え、その実行状態を把握・評価する仕組みの有無を問うており、「経営方針や計画をどのように全社員に伝え、またどのように実行状態を把握・評価」しているかを診断する内容となっています。

 つくりっぱなし、やりっぱなしではなく、社内に実行を把握し評価する仕組みを作りましょう。

 成熟度のレベル「0」は、「経営方針及び計画の実行状態を把握する必要性を認識していない(把握していない)」状況で、「3」では、「経営方針及び計画が全社員へ周知され、実行状態を把握・評価する仕組みが確立され、機能している」で、全社的に仕組みが確立されている状態を表しています。3の状態の説明には「経営方針・経営計画の実行状態を把握・評価する基本ツールや方法が明確に定められている。これにもとづき、定期的に実績検討会が行われ、進捗状況が把握・評価されている。計画との差異が生じた場合の原因分析と対策の検討が行われている」となっており、具体的な実践がイメージできます。

「中小企業家しんぶん」 2009年 11月 5日号より