企業や地域の未来のために若者を採用し育てる共同求人活動を

【中同協・共同求人委員会】

共同求人委員会

 同友会の求人サイト「Jobway」の登録学生数が前年の約1・8倍(約3万7000人)になるなど、共同求人活動への学生・地域からの期待が高まる中、中同協共同求人委員会が9月16日に東京で開催され、16同友会・中同協から33名が参加しました。

 委員会では、2010年度の委員会体制として、委員長に前田幸一・鹿児島同友会代表理事、副委員長に小暮恭一・東京同友会理事にお願いすることを確認。続いて、「『3つの目的』の総合実践(企業づくり・人づくり・地域づくり)としての共同求人活動をいかに広げるか」のテーマで、3人の報告・問題提起がありました。

 まず、東京国際大学の田口稔・学生支援部長が「今年の学生の就職活動の動向と、若者が育つ企業への期待」と題して報告しました。 田口氏は、今春卒業の就職未内定者が12万人にのぼるなど、大変厳しい就職状況になっていることを報告。そのような中できめ細かな就職指導を行っていること、じっくりと企業研究を行えるような環境を整えることに力を入れていることなどを紹介しました。

 続いて、岩手同友会の河野通洋・共同求人委員長が「地域に人を残し、地域を守る、岩手同友会の共同求人活動」のテーマで報告しました。

 河野氏は、人口動態の資料に基づき、18歳を超えると人口が急減する地域の現状などを紹介しながら、「これは若者の職場をつくれていないわれわれ中小企業にも責任がある」と共同求人への参加を呼びかけ、地道に参加企業を広げてきた経過を報告。今では合同企業説明会に参加した学生が「勇気と展望が持てた」と語るなど、学生や行政・地域からあてにされる存在になってきていることを熱く語りました。

 最後に、前田幸一・中同協共同求人委員長が「2010年の前半の活動を振り返り、今後の求人活動のあり方を考える~企業側の『倫理憲章』と大学側の『要請』などを踏まえて」のテーマで問題提起を行いました。

 前田氏は、企業の求人活動、学生の就職活動が早期化し、学生の勉学に支障をきたしていることに対して「このままでいいのか」と問題を提起。また「共同求人活動は、地域にすばらしい人材を残す活動であり、地域おこしの活動でもある」と強調。共同求人の輪を広げていくことを呼びかけました。

 グループ討論では、「共同求人にきちんと取り組むことが自社の未来や地域づくりにつながる」など、共同求人や新卒採用の意義などが熱心に語り合われました。

 全体のまとめでは、小暮・中同協共同求人副委員長が「若者を採用し、育てる共同求人活動は、日本の未来にとっても重要なテーマ。われわれが運動の起爆剤となり、各地で推進していきましょう」と力強く訴え、閉会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2010年 10月 5日号より