2011年初、景気再後退の可能性、大【同友会景況調査(DOR)概要(2010年10~12月期)】

 10~12月期の中同協景況調査結果をまとめた『同友会景況調査報告(DOR)』93号が発行されました。今回の調査は、11月に円相場が80円台と過去最高値に迫る円高加速で企業心理が冷え込み、9月以降のエコカー補助金・家電エコポイント制度による駆け込み需要とその終了・縮小による反動減を見込んだ結果となりました。

 政府の10月の月例報告は景気判断を「持ち直し」から「足踏み状態」へと下方修正し、景気の失速を認めるにいたりました。DOR10~12月期調査では、業況判断DI(「好転」―「悪化」企業割合)は7~9月期の0が3へと3ポイント上昇しました。流通・商業、サービス業でかけこみ需要があったものの、これまで回復を牽引してきた製造業が16から6ポイント悪化しました。

 2011年1~3月期の見通しでは業況判断DIで2010年10~12月期の3がマイナス10と13ポイント下降を予想しており、2011年初は景気再後退の可能性、大となっています。

 一方、仕入単価DI(「上昇」―「下落」)は6→10と上昇したため、売上・客単価DIとの差が拡大しました。加えて、円高の進行が、折からの価格競争に拍車をかけており、収益環境は厳しさを増しています。仕入単価上昇を吸収するための適切な対応が求められます。

 なお、今号の「DORの眼」は「“雇用を守る”ために、企業の社会保障費負担の軽減を!」と題して山口義行立教大学教授が執筆しています。『DOR』ご希望の方は、300円切手同封の上、中同協までお申し込み下さい。こちらでも紹介しています

「中小企業家しんぶん」 2011年 2月 5日号より