被災者にホテルの部屋を提供―会員連携し、子どもたちに学習指導も【石川】

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 キャッスル・イン金沢(藤橋和之専務、石川同友会会員)では、3月21日より、今回の東日本大震災で東北から避難してきた被災者の方向けに40室を確保しました。滞在費は光熱費などの実費のみで、人数を問わず1室2500円に設定。すでに60人を超える方が入室しています。

 近隣住民も物資を持ち寄るなど全面協力しており、食料や日用品をはじめ、絵本などの差し入れが相次いでいます。さらに、長期滞在の可能性から食事面を配慮し、自炊できる設備も用意しました。

 また、同じく石川同友会会員で学習塾フィットアカデミーを運営する伊勢真樹氏((株)ワー・コムグループ)が、3月末にかけて、同ホテルにボランティアで講師を派遣し、教材を無料提供して子どもたちへ学習指導を行いました。

 現在は、ホテルから別の場所に避難先を移す人もおり、今後半年間は被災者の子どもたちを対象にフィットアカデミー全14校で無料講習を行っていきます。

 藤橋氏は「この状況下で心が動かない人はいない。民間企業として、今すぐにできることをやるしかない。1人でも多くの人の力になりたい」と話しています。また、空き家を提供したいなどの問いわ合せもあり、長期的な生活を含めたサポートも視野に、仲介役になっていきたいとしています。

「中小企業家しんぶん」 2011年 5月 5日号より