いたたまれなく被災地へ―讃岐うどん8700食を炊き出し~香川同友会代表理事 野田 勝利

写真

 香川同友会では被災直後に義援金や支援物資を送る活動に着手しました。たくさんの支援が集まる中、何か被災地に直接できることがないかと思案をしていたところ、支部会員である山倉建設社長が“讃岐うどんの炊き出し”を発案し、私ども夫婦も参加させていただくことになりました。

 事前打ち合わせを2回行い、丸亀市役所で新井市長激励のもと、4月8日の夕方に出発。同友会会員を中心に、会員企業の社員や一般ボランティアなどを含め11名がトラック2台とワゴン車に分乗し、1200キロの道程を18時間かけて移動しました。

 9日午後に宮城県登米市内に到着。水を分けてもらう予定で寄った登米市給水所で、敷地内の体育館に全国から来ている450名の警察官が、行方不明になった方々を胸まで泥水に浸かって毎日捜索し、食事は冷たいおにぎり2個と苛酷な環境であると聞き、急きょ讃岐釜玉うどんを振る舞いました。

 翌日は、志津川小学校で炊き出し。新潟同友会、富山同友会の方々15名も応援に来て、被災者の方々にたくさんの讃岐うどんの釜玉を振る舞い、“元気を頂いた”と喜ばれました。ここで得た教訓は「思いを形にして実践行動をすることが未来につながる」ことでした。11、12日も町内で振る舞い、私ども 3人はワゴン車に1000食積んで大船渡の知人と陸前高田市の高田ドライビングスクールに届けました。13、14日は石巻市内に移動して多くの被災者の皆さんに振る舞いました。

 被害は言葉に表せないぐらい悲惨な状況ですが、生活の場を創る担い手である中小企業が早く立ち上がり、雇用の場を守るためにも、早急に政府、行政が復興に向けた迅速な対策を願いたいものです。

 香川でも、建築関連の資材が入手困難ですが、私たちにできることは、東日本地区の支援とともに、香川で強靭な企業づくりに取り組み、地域経済を浮揚させることが重要な支援策につながると確信しました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 5月 5日号より