全体会の補足報告―地域の復興、日本再生の同志として 広浜泰久中同協幹事長

広浜幹事長

 総会2日目、広浜中同協幹事長より、補足報告として「地域の復興、日本の再生に対する同志としての使命と役割を果たすべし」との提案があり、3つのポイントから話がありました。

 1つは、生きる、暮らしを守る、人間らしく生きる社会をつくる同志としての企業家の使命・役割は、「強靭な企業づくり」ということ。東日本大震災での深刻な状況の中で、支えあい命をつなぐ姿勢が、世界の尊敬を集めています。中小企業白書のデータでも明らかになっているように、中小企業が地域と産業を支えていますが、1社1社はどうなのかが問われています。「労使見解」の精神をベースに、経営指針・共同求人・社員教育の三位一体という形で実践あるのみ。その真価が本当に問われている、と一番厳しい被災地からの報告にもありました。

 2つ目に、地域づくりを中心に、中小企業憲章や中小企業振興基本条例への関わりをもっと強めよう、ということ。第2分科会では「憲章を検証する役割がわれわれにはある」と提起がありました。宮城同友会の鍋島代表理事の「輝く未来は、私たちがつくるんだ」という言葉にもあるように、これからの地域や日本をつくっていく同志として、行政の方々と一緒に、地域づくりに取り組むことが欠かせません。いろいろな施策に関心を持ち、提言し、できた施策を十分に活用する。復興は本当に長くて厳しいものになります。だからこそ、やらなければなりません。

 3つ目に、同友会づくり、組織づくりの話です。岩手同友会の田村代表理事に「同友会を誇りに思います」とおっしゃっていただきました。役員、事務局がそれぞれ素晴らしい、そして組織としても素晴らしい、そういう会になりましょう。それぞれの一番光っている部分が発揮できるような仕組みをつくることが課題です。阪神大震災での教訓が、東日本大震災での復旧・復興に生かされました。全国には素晴らしい知恵やノウハウが蓄積されています。これを使わない手はありません。

 被災地では、「1社もつぶさない、会社と雇用を守る」と呼びかけています。会員だけでなく、先が見えなくて苦しんでいる方々にも声をかけ、同友会に入っていただく。そういう働きかけをもっとしていかなければなりません。北海道での条例への取り組みに触れることができましたが、地域における10%の組織率は非常に大きな存在感を持つということは、この北海道の総会で最も学びたいところです。

「中小企業家しんぶん」 2011年 8月 5日号より