【経済データを読む】2012年の予測データから

 2012年の経済見通しを見ると、欧米の経済不安から全ての機関が、世界の全ての地域で、夏時点に比べ成長率の引き下げが顕著です。11月末にOECDは世界経済の回復が勢いを失っているとして、2012年の世界の成長率が今年の3.8%から3.4%に鈍化、ユーロ圏は緩やかなリセッションに陥っている一方、米国もリセッションに突入するリスクがあると指摘。また世界貿易の鈍化が中国の成長を圧迫するとの見通しを示しました。ユーロ圏は0.2%、米経済は議会が赤字削減策で合意すれば2.0%の成長、中国は8.5%に鈍化するとの見通しを表明。日本経済は2011年のマイナス0.3%から、2012年はプラス2.0%に回復予想しています(表1)。

 12月に国連は2012年の世界の経済成長率見通しを2.6%に下方修正。12月2日、内閣府は世界経済の2012年の実質経済成長率を前年比3%前後と見込み、米国は2%程度、欧州は0~1%台、中国が9%程度との国際機関の見通しをおおむね妥当と評価しました。

 日本の2012年成長予想は、民間23社平均で2.1%成長(表2)。世界の予想からもこの見込みがほぼ妥当と思いますが、2010年GDPがリーマンショック前の2007年比で95%であったこと、リーマンショック以降、多くの業界で年に2%前後の需要が減少していることを考え合わせれば、復興需要の続く建設業の一部を除けば、2%マイナス2%でほぼゼロ成長と見ておくのが一番素直な見方と言えるのではないでしょうか。

表1 2012経済見通し比較表

表2 民間23社平均2012経済見通し

「中小企業家しんぶん」 2011年 12月 25日号より