若者と共に魅力ある企業づくりで地域の復興を!~2011全国共同求人交流会in宮城に328名

 12月8~9日、「若者と共に魅力ある企業づくりで地域の復興を!」をテーマに「2011全国共同求人交流会」(中同協主催)が宮城同友会の設営により仙台市で開催され、33同友会と中同協から328名が参加しました。

 開会に先立ち、東日本大震災で亡くなられた会員に黙とうを捧げた後、開催地の鍋島孝敏・宮城同友会代表理事、主催者の前田幸一・中同協共同求人委員長、来賓の落合淳1・宮城労働局長があいさつを行い、それぞれ交流会の意義や期待などを熱く語りました。

 基調講演では、赤石義博・中同協相談役幹事が「今こそ労使見解の精神に学び、人を生かす経営の実践を推し進めよう」をテーマに講演。「労使見解」の精神に基づいて、経営指針・共同求人・社員教育を一体となって取り組むことが必要なことなどを強調、多くの共感を呼びました。

 その後4つの分科会に分かれて報告とグループ討論が行われ、参加者は互いの実践や課題なども交流しながら学び合いました。

 若生宮城県副知事、奥山仙台市長を来賓に迎えて行われた懇親会は、震災からの「復興支援」を掲げ、全て東北の会員企業から調達した選りすぐりの食材を使った料理やお酒が用意され、会場内に屋台も並びました。復興を願っての餅つきや地元の創作和太鼓なども披露され、参加者の交流も一段と盛り上がります。

 2日目の特別報告では「地域で若者を育て、地域に若者を残す産学官の取り組み」をテーマにパネルディスカッションが行われ、宮城同友会が長年取り組んできた同友会・教育機関・行政による「若者を育てる連携」「地域に若者を残す運動」の実践に学びました。

 最後に小暮恭一・中同協共同求人副委員長より2日間のまとめが行われ、大きな感動とともに共同求人の意義などが改めて確認された交流会となりました。

【交流会オプション企画】街を次の世代に残すのはわれわれの使命~“地元中小企業家”が語る復興ビジョンツアー

 12月9~10日、2011全国共同求人交流会のオプショナルツアーとして「“地元中小企業家”が語る復興ビジョンツアー」が開催され、44名が参加しました。

 貸切バスで宮城県南三陸町に到着した一行は、まず街を一望できる高台で、宮城同友会南三陸支部の山内正文支部長から震災当日の様子などについて説明を受けました。まだほとんど何もない街を目の当たりにし、参加者は言葉もなく、話に聞き入ります。

 会場を移して行われたパネルディスカッション「地元中小企業家が復興ビジョンを語る」では、大橋清勝・石巻支部長、阿部隆・南三陸支部相談役、澤井仁・気仙沼支部理事が登壇。三浦洋昭・南三陸支部副支部長の進行により、震災当日の様子や、社員・家族・会社の状況などが生々しく語られます。そして厳しい現実の中にありながら、「街を次の世代に残していくのはわれわれの使命」と、企業の再建や地域の復興に向けて取り組んでいく強い決意が報告されました。

 2日目は気仙沼市に移動し、清水敏也・気仙沼支部長をはじめ気仙沼支部会員と懇談。大きな被害の中、会員同士が励まし合いながら、復興に取り組んでいる様子などが語られました。

 2日間のツアーを終えて、参加者からは「メディアでは知りえない、感じられないことに気づき、心痛んだ」「実際に見る光景は衝撃的でした」「同友会会員企業の復興への思い、町を再建しようとする心意気に感銘を受けた」など多くの感想が寄せられました。

 今回のツアーでは、地元の会員からは、異口同音に全国の同友会からの支援に心からの感謝の言葉が述べられるとともに、「ぜひ被災地を見に来てほしい。そしてそれを周りの方々に伝えてほしい」との声も寄せられました。参加者それぞれが被災地への一層の支援を改めて心に誓ったツアーとなりました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 12月 25日号より