北洋銀行、北海道銀行両行と北海道同友会が協力連携

憲章の理念を踏まえ、中小企業と地域経済の発展めざす

 北海道同友会は5月29日、北洋銀行、北海道銀行とそれぞれ「協力連携覚書」を締結しました。

 「覚書調印式」は、北海道同友会第44回定時総会の第2部として行われ、全道の代議員と来賓が見守る中、三神純一代表理事を真ん中に、北洋銀行石井純二頭取、北海道銀行堰八義博頭取、守和彦代表理事、本郷利武代表理事が堅い握手を交わしました。

 草創期から一貫して地域金融機関との関係を重視してきた北海道同友会は、1997年に拓銀が破たんし金融環境の混迷が続く中、翌年の全道総会で、「預金の道外流出を防ぎ、『道民のための道民の銀行』を育て、新しい金融システムを官民あげてつくろう」と呼びかけ、大きな反響を呼びます。

 その後北海道同友会は、「金融アセスメント法制定運動」に取り組み、金融行政にも変化が生まれます。道内地方銀行とは個別に地域金融懇談会を重ね、相互理解を深めていきました。 これまで培ってきた北海道同友会と両地銀それぞれとの協力関係をさらに広げる今回の協力連携覚書では、「中小企業憲章の基本理念を踏まえ」と冒頭にうたわれています。

 連携初年度の今年は、北洋銀行とは事業承継セミナー、個別相談会を道内5カ所で開催するなど、事業承継、後継者育成を中心に取り組みます。また、北海道銀行とは、北海道同友会会員企業の新入社員と、同行の新入行員が共に学びあえる「次世代人材育成事業」を中心に取り組んでいく予定です。

 中小企業の活力をいかに引き出すかが地域の消長を分かつ時代、北洋銀行、北海道銀行の両行と北海道同友会の協力連携は、大きな意味と可能性を示唆しています。

○北洋銀行
1917年設立、本社札幌市。98年に北海道拓殖銀行を譲り受け、08年札幌銀行と合併。
貸出金残高5兆4281億円。
○北海道銀行
1951年設立、本社札幌市。04年に北陸銀行と金融持株会社による経営統合。
貸出金残高3兆530億円

「中小企業家しんぶん」 2012年 6月 15日号より