標茶(しべちゃ)地区会(北海道・釧路)

道東・標茶に芽吹いた同友会~釧路支部で4番目、標茶地区会が発会

 8月24日、北海道同友会釧路支部に新たな地区会が誕生しました。釧路市から北東へ50キロメートルに位置する標茶町で産声を上げた標茶地区会です。これで釧路支部の地区会は4つとなり、学びあいの輪が広がりを見せています。

活発な会員拡大と組織づくり

 標茶町は道内市町村で10番目、全国の町村では6番目を誇る面積に8800人が暮らしています。基幹産業である農業の産出額は160億円に迫ります。

 標茶地区会発会のきっかけは「身近な同友会活動を展開して、より地域に根差した課題に対して学びあいを深めたい」という機運が盛り上がったことです。

 2011年6月から会員拡大が進み、会員27社、組織率では18・2%での発会となりました。会員は標茶町の基幹産業である1次産業から、小売業などの3次産業に至るまで横断的な顔ぶれが揃いました。発会式に先立って行われた第1回地区総会では農協の元専務理事で農業生産法人「めぐみ」を経営する大和田義信氏が初代地区会長に選出されました。

 発会式には池田裕二町長、田中進商工会長などの来賓も出席し、同友会組織の誕生に熱いエールを送りました。標茶町にはこれまで、商工業者と農業者が「経済」をキーワードに交流する団体がありませんでした。そうした意味でも標茶地区会の発会は多くの人々に関心を持って受け入れられています。

標茶地区会が目指す「学び」

 地区会の活動方針には同友会理念に照らした勉強会の開催が謳(うた)われているほか、釧根地域で活発な運動が繰り広げられている「中小企業振興基本条例」制定に向けた活動の推進が明記されています。

 大和田地区会長は「1次産業から3次産業までさまざまな経営者が本音で語り合い、地域を活性化させる取り組みを展開したい。中小企業振興基本条例の制定運動についても、1次産業を中心とした地域だからこそ条例が必要だという認識を広めたい」と意気込んでいます。

(北海道同友会釧根事務所 栗谷秀実)

「中小企業家しんぶん」 2012年 9月 15日号より