【条例が結ぶ地域間交流】北海道・別海地区会 宮城・白石蔵王支部

 北海道同友会別海地区会(寺井範男会長・82社)と宮城同友会の白石蔵王支部(島貫勇雄支部長・40社)の地域間連携が加速しています。10月4日から7日にかけ、同地区会から7名が白石市、蔵王町を訪れ、地域の歴史や経済について学び、親交を深めました。

 同地区会と同支部との交流事業が始まったのは今年2月。中小企業振興基本条例制定に向けた勉強のため、同支部の会員が別海町を訪れたことがきっかけです。地域を思う互いの気持ちが共鳴し、連携することで、より強固な地域経済を築こうということになりました。

 7月、具体的な活動の第1弾として、別海町で開催された「新・ご当地グルメグランプリ北海道」に同支部から5人が参加し、条例の基本理念にのっとり、地元企業に配慮したイベント運営を学びました。

 別海町は2009年、全国の町村に先駆けて中小企業振興基本条例を施行し、同地区会が中心となって医療サポート組織「医良同友(いいどうゆう)」や、京都大学の岡田知弘教授が率いる研究チームによる地域経済の分析などに取り組んでいます。同支部は現在、条例制定を目指しており、先進地である同地区会の活動を参考に計画を進めています。

 白石蔵王地域への訪問は10月6日に開催された「鬼小十郎まつり」に合わせて計画を立てました。

 同まつりは、伊達政宗に仕えた白石の武将、片倉小十郎にちなんで開かれています。「大阪夏の陣」での真田氏との合戦を再現するなど、随所に趣向を凝らしており、第5回にして、早くも全国から歴史ファンが訪れるイベントに成長していました。

 城下町として長い歴史を持つ白石市で行われる祭りを見学した同地区会の参加者のひとりは「北海道は開拓が始まって130年余り。『100年企業』と呼ばれる企業は数えるほどしかない。東北海道の地に100年企業を創るため多くのことを学びたい」と、語っていました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 10月 25日号より