合計特殊出生率データから見ると

2012年度の人口動態統計が発表され、合計特殊出生率は団塊ジュニアの30歳代増加により、0.02上昇して1.41になりました。1.4台は16年ぶりです。ただし出生数でいえば103万7101人と過去最低で前年比1万3705人減少しました。自然増減数も21万9153人減となり前年より1万6893人減少幅が増加し、出生数が死亡数を上回った県は神奈川県、愛知県、滋賀県、沖縄県の4県に過ぎません。婚姻は66万8788組と6893組増加し婚姻率が5.2から5.3へと増加も高齢化して徐々に減少傾向にあります。平均初婚年齢が男性30.8歳、女性29.2歳。夫は0.1歳、妻は0.2歳上昇と年々上昇しています。また第1子出産の母親年齢も30.3歳と過去最高で晩婚・晩産が進んでいます。

 合計特殊出生率の過去最低は2005年の1.26で、徐々に数値は高まっていますが、人口減少で出生数が減っている中で、人口維持のためには2.07必要です。フランスのように2以上の出生率へ戻る展望は見えていません。結婚しないというよりできない、ましてや子供を生めない貧困層が日本には16%います。その多くの原因と言われているのが日本の非正規労働者の増加です。労働者全体の35%にもなり、女性の出産率は正規労働者では33.1%に対し、非正規労働者では16.3%となっており、非正規労働者の増加は人口減にも拍車をかけていることのわかる数字です。

 また、沖縄県が1.90と一番高い出生率であるのに対し、東京都が一番低い1.09になっています。転入者がなければ人口が一番先に半減する都市であることにも驚かされる合計特殊出生率のデータです。

表 都道府県別合計特殊出生率

「中小企業家しんぶん」 2013年 6月 25日号より