地域で障害のある方の就労を支援「はちどり」のネットワークで【京都】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】37

 各同友会の実践事例を紹介する「変革と挑戦」シリーズ。今回は京都同友会障害者問題委員会の取り組みを紹介します。

 京都同友会障害者問題委員会では、地域の支援機関と一緒に「山城障害者就労サポートチーム調整会議(通称:ネットワークはちどり)」を立ち上げ地域で障害者雇用を取り巻く諸問題に関わっています。

 ネットワークはちどりは地域の医療、支援学校、行政、福祉施設、マスコミ、企業などさまざまな分野が参画し構成されています。それぞれの分野が互いの特性を生かし、地域全体で障害者の就労支援を考えていこうと立ち上がりました。就労に関わる送り出す側・受け入れ側それぞれのプロとプロ同士のネットワークを目指しています。

 就労支援をする機関と企業が互いの思いを知るために、ネットワークはちどりでは具体的な課題解決のための会議を行っています。情報共有や支援のあり方を検討しながら全体の底上げにつながっています。

 参画企業数は増加し現在7社が参加しています。その中には障害者雇用についてゼロからのスタートの企業もあります。しかし、企業からは「受け入れたことで自社の雰囲気が変わった」「社員全員での協力体制ができた」など取り組みはじめることで多くの気づきを得られています。

 また、京都府と連携して「はあとウォームカンパニーの認定制度」の事業を開始しました。はあとウォームカンパニーの認定は障害者雇用により企業に良い変化が表れた企業に贈られます。「障害者雇用人数」だけでは認定されないのがこの制度の特徴です。ネットワークはちどりはこの取り組みが地域の文化として根付くよう進めています。

 「はちどり」の由来は北米の古い民話。森が火事になり他の動物が逃げる中で、はちどりだけが「今できる精一杯のことをしているだけ」と水を口に含み火を消しにいったという話に基づいています。ネットワークの一人ひとりが人と地域を考え、今できる精一杯の力で取り組んでいます。

 取り組みの詳細は第17回障害者問題全国交流会報告集に掲載されています。

「中小企業家しんぶん」 2014年 4月 5日号より