食料自給率とエネルギー自給率

 8月5日に農林水産省から2012年度の都道府県別食料自給率が発表されました(表)。カロリーベースで全国平均39%。北海道、青森、岩手、秋田、山形、新潟の6道県のみ食料自給率100%以上となっています(生産額ベース自給率は68%で100%以上は21道県)。同時に発表された2012年基本データでは、農業生産額は4兆8351億円、林業生産額は1432億円、水産業生産額は7519億円で合計5兆7302億円です。2013年データの農産物輸入6兆1365億円、林産物輸入1兆2369億円、水産物輸入1兆5797億円の合計8兆9531億円から輸出分5505億円を引いた8兆4026億円で不足を賄っていることになります(2013年の木材自給率は28.6%、2013年度の魚介類自給率は58%)。特に農業では耕作地が1960年の607万haから2013年の454万haへと減少、耕作放棄地が40万haを超え、農業就業者の平均年齢が2013年66.2歳にまでなっています。

 千葉大学倉阪研究室&環境エネルギー政策研究所の「エネルギー永続地帯2013年版試算結果」によればエネルギー自給率は2012年で平均3.7%。1位は地熱・温泉熱利用の発電を行っている大分県(22.9%)です。10%以上は青森、岩手、秋田、富山、長野、島根、鹿児島の8県しかありません。化石燃料の輸入は、2010年から2013年で輸入量は6%増ながら、輸入額は2012年の23.6兆円から、2013年26.9兆円へと円安と価格高騰でさらに増加しています。持続可能な社会の実現には輸入に多くを頼らず、食料もエネルギーも地産化していくことが強く求められる数字です。

表 2012年の食料自給率とエネルギー自給率

 表 2012年の食料自給率とエネルギー自給率

「中小企業家しんぶん」 2014年 9月 25日号より