個人企業の過半数廃業のおそれ

 人口減少と並ぶ大きな問題が企業減少です。事業所・企業調査統計で1986年の530万社から調査最終年の2006年には420万社と110万社が減少。経済センサスの始まった2009年420万社から2012年385万社まで35万社が減少し、その内小規模企業は32万社減(9%減)、中小企業は3万社減(5.6%減)と小規模な企業ほど減少しています。個別企業の理由はさまざまですが環境変化に弱いことは共通といわれています。

表1 総務省調査とDORと日銀短観の業況水準比較

 小規模企業のデータは数が少ないため、小規模に近い個人企業で見ると、総務省の個人企業経済調査2014年7~9月期結果(速報)によれば、業況判断▲65.4と同友会景況調査報告(DOR)の▲5.5や日銀短観の大企業13.0、中小企業0.0に比べて相当悪い状況がうかがえます。暦年の推移で見れば、全体の動きは同じでリーマンショック前の2007年7~9月期でも▲63.4でずっと▲60~70台のひどい水準です(表1)。表2の企業比率では64%から70%が悪いと答えています。併せて国税庁の黒字企業比率2010年25.2%から見て赤字企業割合74.8%のデータや、帝国データバンクの2014年後継者がいない比率65.4%のデータと見て行けば、個人企業の過半数60~70%の企業が廃業の可能性をもつという大変な状況が見えるデータです。

 このままでは人口減以上に個人企業が消滅していく可能性を予感させます。

表2 総務省・個人企業経済調査の内訳

「中小企業家しんぶん」 2014年 11月 25日号より