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第4回人を生かす経営全国交流会in長野を開催

 11月20~21日、紅葉の盛りを迎えた信州・長野市で第4回人を生かす経営全国交流会が開催され、46同友会と中同協から466名(来賓含む)が参加しました。

人を生かす経営全国交流会

 設営を担当した長野同友会は、交流会を契機として同友会で学ぶ仲間、運動の輪を地域に拡げようと会員増強に取り組み700名会勢を達成しました。初日に阿部守一・長野県知事、2日目に加藤久雄・長野市長が来賓としてあいさつし、同友会への期待の高まりが実感される交流会となりました。

 問題提起に立った宮崎由至・人を生かす経営推進協議会代表は、山田昭男・未来工業元社長(故人)の会社を見学した際、「開けなくても閉めよ」の張り紙を見て驚いたことを紹介し、「理念を企業づくりに徹底することが大切。理念を唱えるだけの運動になっていないか」、「同友会は“運営”ではなく“経営”を学ぶ場」と力を込めて提起しました。

 その後6つの分科会に分かれて学びを深めました。夜の懇親会では長野県木島平村の高校生らによる鬼島太鼓の迫力ある演奏や、長野市の篠ノ井大獅子の軽妙な舞いが披露され、参加者は信州の食とともに郷土文化を堪能しました。

 2日目はクリニクラウン(病院を意味する「クリニック」と道化師を指す「クラウン」を合わせた造語。入院生活を送る子どもたちの成長を支援する取り組み)を実践する塚原成幸・清泉女学院短期大学専任講師が記念講演。ユーモアあふれる話の展開に会場は幾度も笑いに包まれました。子どもに対する見方・接し方と、経営者の社員に対する見方・接し方には共通点があるとして「信頼感のある人間関係があってこそ笑いやユーモアのある職場になる」、「成長・発達の促進を支援するのがクリニクラウンであり、それは経営者の役割も同じ」と指摘しました。

 交流会の最後に「交流会アピール」が提案され、10年先を見通した計画的な採用・育成を方針に据えることや、限定性社員の導入やホワイトカラーエグゼンプションなど雇用規制緩和の風潮に安易に乗らず、就業規則を柱とした労働環境整備を重視することなどを柱とした行動提起を満場の拍手で採択して閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2014年 12月 5日号より