「つながること」を大切に会員60名を達成!

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】52

青森同友会・市川女性部会長

青森同友会 女性部会長 【中同協政策委員会 恵子氏(有)工藤板金工業 専務取締役

 青森同友会の女性部会は2003年6月に設立しました。初代部会長の小笠原貞子氏、副部会長の沼尾紀恵子氏は、1998年の青森同友会設立の時から積極的に全国行事に参加して全国の会員との交流と学びを深め、経営指針を作成して企業づくりに取り組むと同時に女性部会立ち上げの準備を進めました。2009年に青森で開催した第13回女性経営者全国交流会では、青森同友会、女性部会員の総力をあげて設営・運営を担い、大成功をおさめました。

つながりを大切にした仲間づくり

 私が三代目の部会長に就任したのは2013年、部会長最初の仕事として女性部会員全員の声を聞くため会社訪問に取り組みました。女性は、経営者、経営幹部、妻、母、嫁…など、男性よりも複雑な立場を持ちながら経営に関わっていかなければならない特有の悩みがあります。会員訪問を通じて、部会員は例会に出たくても出られない、交流やつながりを期待して待っていることに気づきました。そこで女性部の活動は

基本的に地区ごとに行うこととし、正副部会長で構成する2役会と各地区のお世話役で構成する世話人会の定期開催で組織の活性化を図りながら、女性部会員相互のつながりを大切にした女性部会づくりに取り組みました。

経営者の資質を高められる女性部へ

 現在女性部会員は61名。女性部の会員拡大にあたっては、話を聞いて相手を知ることを意識して進めてきました。女性部を設立した際に正副部会長と事務局で申し合わせた「(1)女性部会を遊びの会にしない、(2)経営者の資質を高め、よい会社づくりを行うために謙虚に学び続けること」を常に念頭において取り組んでいます。女性ですから、楽しく過ごすことも好きですが、他人を批判せず、意見を尊重してグループ化しないように気を配っています。それには、メンバーの自覚を高めていくしかありません。

一緒に輝き成長できる学びの場

青森同友会女性部会

 初代部会長の小笠原氏から、ご自身の所属する女性部3沢地区の30~40代の方が同友会で学ぶ機会をつくり、世代交代を進めようとの提案がありました。現在、会員さんのお嫁さん、娘チームを中心にランチ会を企画してもらっています。女性部会員でない方もいらっしゃいますが、入会へ向けて準備を進めています。このような形の先輩からの助け船は、同友会運動の原点でもある経営者の自立した姿を示してくださっています。

多くの学びと気づき

 女性部会長を引き受けた理由のひとつに、わが社の事業継承があります。弟が父から受け継いで社長に就任するにあたり、在職期間が弟より長い私が社外に出ていた方が仕事をしやすいのではないかという思いからでした。でも実際は私自身が一番多くの気づきと学びをいただきました。

 これからは少し肩の力を抜いて、女性部会長として多くの方々を巻き込んで、一緒に学び、喜び、時には一緒に泣き、一人ひとりに寄り添い、いつも笑顔でいられるように楽しみながら取り組んでいきたいです。

(2014年度第2回中同協女性部連絡会報告より)

「中小企業家しんぶん」 2015年 4月 15日号より