何が少子化を加速させているのか

 日本は2005年の出生率1.26の最低値から2013年1.43と少し回復していましたが2014年1.42へ減少しました。少子化の加速原因をさぐると、6月22日少子化社会対策白書で「未婚率が2010年の25~29歳男性で71.8%、女性で60.3%、女性の平均初婚年齢は13年時点で29.3歳、第1子出産時平均年齢30.4歳」と未婚が増え晩産化がすすんでいる現状に辿りつきます。その理由は2014年の内閣府の社会意識世論調査で20~30歳男女に「恋人が欲しいか」の質問で「欲しくない」が37.6%、出会いの場所がない55.5%。未婚男女に聞くと「経済的にやっていけるか」が63.9%、「子育てが大変」が51.1%とあり、同じく社会で満足していない点では、1位「経済的なゆとりと見通しがもてない」37.1%から1年で46.9%に上昇、2位「若者が社会での自立を目指しにくい」35.6%から40.1%に、3位「家庭が子育てしにくい」26.6%から28.8%に。

 さらに厚生労働省の2014年国民生活調査では『生活が苦しい』回答世帯2.5増の62.4%と過去最多、消費増税の影響も。児童がいる世帯では『苦しい』67.4%、1世帯当たり平均所得1.5%減528.9万円」と明確に国民生活の苦しさが示され、特に経済的に苦しい若者の姿が浮かび上がります。非正規の増加で、年収が減少してきたことがひとつの理由ともいえます(図)。

 もうひとつの理由として、政策金融公庫2013年調査で「幼稚園から大学までの子ども1人にかかる教育費が公立でも1000万円、私立で2400万円かかる」ので「25~34歳代の多くを占める年収200~400万円台の人では、年収に占める在学費用の割合が年収の58.2%もある」ことを見れば結婚できて子どもが生めても、1人しかもてないことが少子化を加速させていると思えるデータです。

図 未婚と年収

「中小企業家しんぶん」 2015年 7月 25日号より