格差拡大ひろがる

 11月9日に9月の毎月勤労統計で「6~8月のボーナスは2.8%減35万6791円」と発表されましたが、経団連は大手企業の夏のボーナス額89万2138円と発表し、格差が53万円以上に広がってきています。暦年で見るとリーマンショックからの2010年に39万円に格差が縮小し、2013年には45万円とまた格差が拡大しています(表1)。11月5日の15年家計調査では「2人以上世帯の保有する金融資産平均額は2年連続で増加し、2015年は27万円増の1209万円、07年1259万円以来の高水準」と発表されました。保有していない世帯が30.9%と過去最高の13年31.0%に次ぐ高さで、2007年20.6%から2010年まで22%台、2013年から30%が「金融資産無し」と拡大。さらに2010年の500万円から2015年400万円と中央値が下がってきているにもかかわらず、平均が1100万円代から1200万円に上がっていることとあわせてみれば格差拡大が進んでいるといえます(表2)。

 その原因の1つとも言われる非正規労働者の増加ですが11月4日発表の2014年就業形態調査で「2014年に非正規が40.5%と4年前から1.8%上昇」と働く人の4割が非正規になっている現状が明らかになりました。これが地方創生戦略で「政府が自治体に策定を求めていた、総合戦略と人口ビジョンを6日までに39都道府県がまとめました。2060年の人口は合計で10年比2割減見通し、沖縄のみ増加。秋田は2060年61万人と2010年108万人から44%減少の予想、子ども3人以上世帯への助成拡大の対策がないと、予想57%減46万人。青森、岩手、島根、山形、和歌山、山口、長崎も3割以上減」と地方の人口減少でも格差を生み出しています。

「中小企業家しんぶん」 2015年 11月 25日号より