経営指針で相乗効果アップ【近畿圏女性部会合同例会]

 3月24日、京都市内のホテルにて第9回近畿圏女性部会合同例会が開催されました。茶を主とする食品包装資材の企画・製造・販売をしている(株)吉村代表取締役社長の橋本久美子氏(東京同友会会員)が「相乗効果大作戦~未来をつかんで現実につなげる~」というテーマで講演、大阪・奈良・兵庫・京都の同友会から130名を超える参加がありました。

 この会は、大阪・奈良・京都の女性部会が、風土の違いを尊重しながら、共に学びあい交流すること、広く女性部会の活動を知らせることを目的に、実行委員会をつくり、半年以上の準備を重ねて当日を迎えます。

 橋本氏が講演するのは、今回で2回目です。5年前の第4回合同例会では「茶業界のビジネスパートナー」として、劇的に縮小していく市場でどう生き残っていくかという報告でしたが、その後、深蒸し茶ブームの中で思い切った設備投資をした時に、3・11の原発事故が起こり、茶葉からセシウムが検出。会社は大打撃を受け、社員との関係も悪化、負のスパイラルに落ち込んでいきます。藁(わら)をもつかむ思いで「経営指針成文化セミナー」に参加。「何のために経営しているのか」「自社の役割はなにか」と七転八倒しながら会社の現状を見直し、どんな世界を実現したいのかを考え、未来の自社の生きる道を模索しました。

 そこでできたのが「想いを包み、未来を創造するパートナーを目指します」という理念でした。苦しいからこそ経営指針を作成し、社員と理念の共有をし、経理公開することで、社員の中から次々と仕事に対するアイデアが出されます。そのアイデアが相乗効果を生み、会社を生き返らせることができました。また経営者のあり方や会議の持ち方、社内でのコミュニケーションの取り方、「苦しいときこそ笑う」という言葉も参加者の心に響きました。

 グループ討論では「長期計画をたてることによって、見えてくるもの気づくものは何か」というテーマで、明日からの自社の経営に生かせる討論が展開されました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 3月 25日号より