中同協では設立50周年となる2019年へ向けて全国会員数5万名達成を掲げています。正副会長からのエールに引き続き、中同協の各専門委員長からのエールを紹介します。今回は中同協経営労働委員長の林哲也氏です。
「中同協5万名会員の達成」とは、日本中に本業をとおして幸せを広げる会社をつくる経営者が地域に広がることです。
私は、23年前に創業しました。創業の数年前は、給与未払や無責任な経営者に責任転嫁され、退職金も不払いのまま、職を失い途方に暮れた生活をしていました。
そのころ、知りあいの企業に誘われ、人生の再スタートを歩むことができました。「人助け」で有名な社長でした。今に思えば、社長は、同友会のチャーター会員でした。
その後、社長からチャンスが与えられ「体験をふまえ、納得できる会社をつくりたい」と創業しました。
創業まもなく同友会に入会し、「労使見解」を読んだときは、「真顔で純粋なことを言う団体だ」と感じました。
「人を生かす経営」は、企業の本業をとおして地域に具体的に社会貢献する企業となり、そして、社員の暮らしを守る企業となること。同時に、そこに働くすべての人が、人間的にも成長できる企業となることを提起しています。
自分自身の体験もあり、この考え方に魅力を感じ、導かれて企業経営をすすめてきました。日々発生する経営上の問題に、迷いながらも方針を決断してきました。
私自身の創業以後の経営の紆余曲折を振り返ると、中小企業家同友会は、「北斗七星」のように、暗闇の中で迷った時に方向を指し示す導きの光でした。
中同協経営労働委員会は「働く環境のガイドライン」の試案を発表しました。
近年、「働き方改革」の話題がブームとなっています。この「ガイドライン」は、「流行」に追随して働き方を考えるのではなく、自社の経営指針の中に骨太く「働く環境づくり」を1つの柱にして、全社一丸で総合的な企業経営を推進することを提起しています。
「中同協5万名会員の達成」は、地域で、人が生きて、暮らしを守り、人間らしく生きる企業を広げることです。同友会に入会し、学び実践してもらい、会社と地域に幸せを広げましょう。
中同協経営労働委員長 香川同友会副代表理事 香川県ケアマネジメントセンター(株)代表取締役 林 哲也
「中小企業家しんぶん」 2018年 6月 15日号より