時代を読み、自社事業の本業の可能性を深めよう 第49回定時総会を開催【宮城】

 宮城同友会は4月20日に第49回定時総会を開催しました。昨年および一昨年と同様に会場(パレスへいあん)とWEBの併用となり、会場には県理事・監査役のみが集まり、WEB出席者も含めた総勢154名が出席しました。

 特別例会では、「時代を読み、自社事業の本業の可能性を深めよう」のテーマのもと、総会で決議された「2022年度全県活動方針」に沿って、(1)正しい現状認識から本質的な要因を明らかにすること、(2)本業の可能性を深めること、(3)地域課題と自社事業を結び付けることの3点から、慶應義塾大学経済学部の植田浩史教授の講演と藤田建設工業(株)の藤田光夫・取締役会長(福島同友会・会長)の事例報告から学びました。

 植田教授からは、「時代を読む」という視点から「失われた30年、コロナ禍、ウクライナ危機の“三重苦”で、地域経済の担い手としての中小企業の役割と存在意義が改めて重要になっています。

 生活・社会・経済の変化に伴い、個々の中小企業の役割や意味付けも大きく変化し、企業物価のさらなる上昇も予測されています。販売価格への転嫁が可能な企業かどうかを見直すことも求められています。

 中小企業の可能性を生かすのは、中小企業経営の人間性、社会性、科学性です。東日本大震災からの復興を糧に、地域で新しい価値の創造による中小企業の発展を追求してきた存在としての宮城同友会の会員企業に、今後も期待をしています」と語りました。

 藤田会長からは、「自社事業の本業の可能性を深める」という視点から、「福島県南地域に位置する棚倉町(人口約1万3000名)で建設業を中心に7つのグループ企業を経営しています。関連グループ企業の代表者は、皆同友会の会員になって経営指針を学び“共通の考えを共有”して各社連携につなげており、グループ会社ならではの強みも発揮されています。

 社是の『仕事は仕事でとれ!』には、よい仕事をすることで、それが呼び水となり、次の仕事を呼んでくるという意味が込められています。もともとの本業であった公共工事の減少に伴い、以後は地域の困りごと1つひとつに誠実に向き合ってきました。

 特に東日本大震災以降は、建設業に対する地域からの見方が変わってきたように実感しています。雇用面では、優れた人よりも“自社で働きたいと来てくれる人がいい人”と考えています。地域の雇用をつくり、それを安定させるのが中小企業、そして地域の文化・伝統・雇用を守っていくのが中小企業家の責任です。それを共通言語で話せるのが同友会の仲間です。結果としてグループ全体で実践することで、おもしろい取り組みができています」と自社の実践を語りました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 5月 15日号より