物価高騰、価格転嫁問題の解決へ中小企業庁と懇談【中同協】

 7月4日、中小企業庁事業環境部と中同協対外委員会の懇談が行われ、中小企業庁からは柴山豊樹・企画課長、鮫島大幸・取引課長など5名、中同協からは広浜泰久・会長、石渡裕・政策委員長、新井俊雄・対外委員など6名が参加しました。

 冒頭、広浜会長が「同友会は自助努力を大切にしており、金融機関の伴走型支援もまずは各社の自助努力があってこそだと考えている。価格決定権を持てる企業をめざしているが、不公正取引の問題があるなど難しいところもある。実情や課題を共有し、企業や同友会にとって何が必要とされているか懇談したい」とあいさつしました。

 懇談の中では、中同協から「2023年度国の政策に対する中小企業家の要望・提言」および「2023年度国の政策に対する中小企業家の重点要望・提言」を紹介し、この間の原材料費の高騰や価格転嫁問題によって経営が圧迫されていることや、最低賃金の問題、エネルギー問題など多岐にわたって意見交換しました。また、7月に発表した「中小企業家の緊急要望・提言」(別掲)も紹介し、急激な原材料・資材や電気代の高騰について、中同協で行った調査結果なども紹介しながら自社や会員の現状を報告しました。

 中小企業庁からは「毎年3月と9月を『価格交渉推進月間』と位置づけて、価格交渉や価格転嫁の実態を調査している。およそ10%の企業が価格交渉ができておらず、価格転嫁につなげるためにも価格交渉ができる企業の割合を増やしていきたい。また、交渉したが転嫁できなかったという割合も20%ほど。苦しい時こそ付加価値を共有することが長い目で見るとサプライチェーン全体の利益になるというのが『パートナーシップ構築宣言』の理念。この理念の浸透や実効性強化などに引き続き取り組んでいく」などの意見が出されました。

 最後に石渡裕・政策委員長から「対外委員会として中小企業庁と懇談したのは初めて。貴重な意見交換ができたので継続していきたい」とあいさつがあり終了しました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 8月 5日号より