中同協企業環境研究センターで実施した「コロナ禍における中小企業の金融に関する特別調査」の結果が、同友会景況調査(DOR)143号特別号として11月25日に発表されました。
約7割の企業でコロナ関連融資を含む新規借入を行っており、余裕資金を中心とした借入や、運転資金を中心とした借入の双方の割合が高いことが分かりました。また、8割の企業でコロナ禍に何らかの補助金・支援金の申請を行っており、過去の経験やこのたびの教訓から金融面における危機対応として「早期の資金確保」、「政策や金融に関する情報収集」について意識されていることが調査結果で示されました。
金融機関との関係では4割を超える企業でメインとなる金融機関に信頼感をもっており、地域金融機関によるリレーションシップバンキング(リレバン)の取り組みや、企業側の積極的な働きかけによる信頼関係の構築など、双方の取り組みの成果も見られました。地域を支える中小企業として、経営理念や経営方針の発信に加え、決算書や経営計画書の情報提供や、関係者とのコミュニケーションの機会を設けるといった経営実践が経営体質強化や金融機関との関係づくりの好循環につながっています。
しかし、借入をしていると回答した企業の半数以上で現在もなお個人保証付借入があります。さらに、金融機関との関係性が薄くなったと感じている企業の存在や、担当者の自社に対する理解、取り組み状況に対して厳しい声もあり、リレバンが十分に機能していない現状も浮き彫りになりました。
詳細は中同協ホームページをご覧ください。
https://www.doyu.jp/research/dor/
「中小企業家しんぶん」 2022年 11月 25日号より