ワーク・ライフ・バランスとは

 「ワーク・ライフ・バランス」とは、「仕事と生活の調和」と訳され、1990年代初頭、不況期にあったアメリカで考え出された概念・取り組みと言われています。もともとこれはCSR(企業の社会的責任)的な考え方ではなく、経営上の戦略として取り組まれた制度で、従業員が仕事と生活のバランスを保ち、より充実した社会生活を送れるよう支援するための制度の策定・運用を積極的に行うことで、生産性の向上や優秀な人材の確保につながり、経営的なメリットが大きい、というものです。

 厚生労働省では、「男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ~これからの時代と企業経営」という調査報告書を昨年10月に発表。企業向け小冊子は10万部発行。そこには「ワーク・ライフ・バランスとは、働く人が仕事上の責任を果たそうとすると、仕事以外の生活でやりたいことや、やらなければならないことに取り組めなくなるのではなく、両者を実現できる状態のことです」とあります。(本紙2007年2月15日号より)

 なお昨年末には、国が「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「行動指針」を制定し、国家プロジェクトとしての取り組みが始まっています。

「中小企業家しんぶん」 2008年 3月 5日号から