経営指針に共育計画を位置づけて実践を~「社員共育計画塾」の取り組み【徳島】

 徳島同友会では、社員共育活動として社員共育計画塾、新入社員研修、フォロー研修(6カ月・1年)、中堅幹部能力向上研修を行っています。中でも、2018年からスタートした企業の共育プログラムづくりを行う「社員共育計画塾」は、(1)人事理念・人事方針を成文化し、あるべき社員像を明確にする、(2)社員自身が目標を設定し、自主的に行動する、(3)社員の成長に合わせた共育計画を策定し実践する、ことを目的に1期4回2社ずつ前期・後期で開催しています。参加対象は経営者と幹部社員で1社複数名での参加を推奨。内容としては、最初に自社の現状確認を行い、共育の課題を洗い出します。その際に利用するのが、社員共育計画塾のために作成されたさまざまなフォーマットです。現状把握では企業プロフィールシートを使い、経営理念、年齢構成推移表、企業変革支援プログラムを記入します。次に経営理念から落とし込んだ人事理念・方針を作成し、さらに行動指針の作成も行います。人事考課としては、目標設定シートを活用し、社員が主体的に目標を設定して経営者と面談を行う流れです。最後に社員が会社の中でどのように成長していくかがわかるように年間共育計画の作成を行います。計画の詳細は、職業能力体系図、共育体系図、資格研修一覧表、そして経営指針書に共育年度方針と年間共育計画表を記入します。

 経営指針の実践には社員共育が不可欠です。社員の成長を通して経営者が自分自身の経営姿勢や共育姿勢を問い直す場が同友会の行う社員共育活動でもあります。2018年からスタートした社員共育計画塾は、当初経営者だけが受講していましたが、2019年より「経営指針アドバンス」と名称を変え、幹部社員も加わって受講する形になりました。参加者からは、「自社の人材育成の課題が浮き彫りになった」「他社の事例やアドバイスで自社の立ち位置がつかめた」「経営理念について幹部同士で話し合う機会が持てた」などの感想が寄せられています。

「中小企業家しんぶん」 2022年 5月 15日号より