経営理念を活用して共生社会の実現をめざす【中同協障害者問題委員会】

 7月25日、香川のサンポートホール高松を会場に中同協障害者問題委員会が開催され、22同友会から64名が参加しました。

 冒頭、高橋正志・中同協障害者問題委員長が「同友会理念の自主・民主・連帯の精神の第3層・第4層を追求する場が人を生かす経営全国交流会であり、実践の場が障害者問題委員会。この委員会のメンバーには命の大切さや人間らしく生きるという理念の実践者、語り部になってほしい」と提起を行いました。

 議題の中では、はじめに新年度の委員会体制を確認し、昨年行われた愛知障全交の結果報告や、来年開催される青森障全交の準備状況を確認しました。また、今年11月に開催される人を生かす経営全国交流会in長崎について、実践報告として登壇する飯田弘巳氏(長崎)から概要が報告され、参加が呼びかけられました。

その後、各同友会の委員長がそれぞれの活動内容を報告し、交流を深めました。

 実践報告では、社会福祉法人ラーフ理事長の毛利公一氏(香川同友会多様性委員会副委員長)が登壇。20年前に海で事故に遭い、以降電動車いすで生活している毛利氏ですが、障害をその人自身の「壁」と捉えて、障害者ではなく壁に挑む「挑壁者」という言葉を用いてポジティブな発信を続けています。同友会で理念経営の大切さを学び、「福祉の気持ち」と「経営力」のバランスを重視した運営を行いながら、社員が最大限能力を発揮できるような社内環境の整備を続けて、魅力ある法人づくりを行う取り組みが報告されました。

 グループ討論では「経営者の思いを社員まで落とし込めているかが課題」「困っている人に手を貸すのが同友会であり、理念を大事にしながら、よい会社づくりを通して社会をよくしていくことが重要」「地域の施設や学校、行政などと関わることで社長が変わり、社長が変わると会社が変わって地域が変わる」といった意見が出されるなど、活発な議論が行われました。

 最後に、田中桂子・中同協障害者問題副委員長から「変化するのはとても怖いことだが、時代が変わるとルールも変わる。経営姿勢の確立と理念経営の大切さを学んだ実践報告でした」とまとめがあり、閉会しました。

 翌26日には会社見学会を実施し、希望者33名が東かがわ市の(株)FUJIDANを訪問しました。

「中小企業家しんぶん」 2024年 9月 5日号より