京都同友会には、全国の中でも京都にしかない「文化厚生委員会」という委員会があります。当委員会は、中小企業経営者として豊かな人間性・創造性を育むため、「文化」の視点で経営者と企業を捉えた研修活動に取り組んでいます。歴史や伝統、地域・企業文化から私たちのまち「京都」を知り、また「京都という地域性を生かした事業づくり」を通じて、会内はもちろんのこと、地域団体や教育・行政機関、過去にはNPOなどとも連携しコミュニケーションを深めるよう努めています。
当委員会は元々、中小企業1社では福利厚生の実施が難しかった時代に、社員や家族も巻き込み京都同友会として福利厚生に取り組んでいくことをめざし設置されました。しかし、時代とともに求められる福利厚生の形が変化する中で、高大社連携事業や老舗企業をお招きした研修会など、「文化」を経営の1つの重要な視点や経営課題として学び高め合えるよう委員会・事業づくりを行っています。
今期の文化厚生委員会委員長の森川幸典氏(デザインオフィスクアッドキューブ代表者)は、委員会について以下のように語ります。
「『そんな委員会があるのですか?』と全国行事で名刺交換する際には必ず驚かれます。そしてその活動内容にも皆さま興味津々。多くの会員経営者にとって、経営指針成文化のための視点は社員との関係やビジョン、地域との関わり方でありましょう。そこに私たちは『文化』という2文字を加えたい。委員会活動を通じて得られた文化的な素養や心得が、日々の決断を支え、やがては強い経営力を導き出すための種になると。そんな理念を持ち活動しています」
今期は委員会設立40年の節目となり、文化的な視点を持って経営に臨むことで得られるものが何であるかを再確認する場として、12月に京都精華大学前学長 ウスビ・サコ氏をお招きし、研修会(第6回京都オープン)を行います。
以後も、より委員会の意義を高め広げていけるよう、取り組んでいきます。
「中小企業家しんぶん」 2024年 11月 15日号より