若者に選ばれる企業へ 楽しみながら挑戦する 従業員が誇れる会社へ 
ダイヤ工業(株) 代表取締役 松尾 浩紀氏(岡山)

 採用と社内環境改善を一体として取り組む企業を紹介する連載『若者に選ばれる企業へ』。第10回はダイヤ工業(株)(松尾浩紀代表取締役、岡山同友会会員)の実践です。

 創業63年の歴史を持つ当社は、1982年に腰痛コルセットの自社開発・製造・販売を開始し、メーカーとしての事業を本格的に拡大しました。この事業拡大の中で、企業文化の醸成をめざし、新卒採用をスタート。以来、30年近くにわたり活動を継続しています。現在の従業員は幹部を含めたほぼ全員が新卒で入社しており、毎年3~5名を継続して採用しています。

 わが社の強みは「人」です。お互いを思い合い、他者のために動けることが企業文化で、「誰かのために」という考え方が会社の存在価値になっています。そうした姿勢は経営理念にも込められており、理念に共感した従業員たちと共に、一貫して挑戦を続けています。

学生との接点を増やす

 夏休み期間には仕事体験やオープンカンパニーを8~10回開催しており、今夏は、のべ60名の学生が参加してくれました。営業職や研究開発職、マーケティングなど職種ごとにコースを設定し、製品に触れたり営業ロールプレイングを行ったりして業務を体験してもらいます。また、社長と直接対話ができるプログラムも用意し、会社の将来展望や従業員への思いなどを伝えています。会社の雰囲気を体感し、志望度を上げてもらう機会として、仕事体験やオープンカンパニーは欠かせない活動になっています。

 採用する際に重視しているのは能力よりも考え方で、一緒に働きたいと思えること、この会社でみんなと共に成長したいという視点を持っていることです。面接ではなく「フィッティング」という表現をして、人を大事にする姿勢を持った人を迎え入れています。

共に育つ環境づくり

 入社後1カ月間は、ビジネスマナーなど社会人として必要な知識をはじめ、経営理念や業務内容などを新入社員研修として学びます。

その後に各部門に配属し、3カ月後には宿泊研修を実施して3年後の未来に向けて目標設定をしてもらいます。1年目の従業員には毎月の面談で不安や悩み、挑戦したいことなどを出してもらい、全て経営理念に沿った内容でお互いに学び合う「共育制度」を充実させています。

 最近では、世代や部門間の垣根を取り除くために、従業員の提案でフリーアドレスを導入しました。システム上で座席が自動的に振り分けられる仕組みで、私の席も毎朝変わります。また、「サンクスカード」を従業員同士が送り合っており、数百もの「ありがとう」が社内を行き交っています。時短勤務や時差出勤も従業員の発案から実現するなど、柔軟な働き方を整備したことで産休や育休を取得した女性従業員のほとんどが復職してくれています。

働きたい場所になるために

 従業員同士がお互いの頑張りを見て学び、刺激を受けるからこそ、会社が「行きたくなる場所」になると思っています。そのためにも、癒やされたり、わくわくしたりするようなポジティブな感情を持てる職場にして、仕事や会社が楽しいと感じてもらえるようにしたいと考えています。日頃から前向きな気持ちになれるよう、例えば社内のあいさつは「お疲れさまです」ではなく「お元気さまです」、役職ではなく「○○さん」と名前で呼ぶようにするなど、お互いを信頼し合える関係を築いています。

 従業員には物心両面の幸福を感じてもらい、子どもや家族に誇れる会社でありたいと思っています。

会社概要

設立:1963年
従業員数:104名(うちパート3名)
事業内容:医療用品の開発、製造、販売
URL:https://www.daiyak.co.jp/

「中小企業家しんぶん」 2025年 12月 5日号より