シャクヤク抽出液活用し商品開発 「ビタミンみえ」の産学官連携で新連携認定(三重)

シャクヤク抽出液活用し商品開発
「ビタミンみえ」の産学官連携で新連携認定(三重)

鈴鹿工専の依頼から

 三重同友会の「ビタミンみえ」(共同受注・共同開発グループ)内の1つの組織である「抗菌素材開発研究会」は、3年余の研究開発・試作を経て、このほど経済産業省中部経済産業局の「新連携計画」の認定を受けました。

 この研究会は、3年余前に鈴鹿高専からシャクヤクの抽出液の中に含まれている「抗菌・消臭効果」を事業化できないかとの依頼を受けてスタートしたもの。シャクヤクの花びらの収集から始まり、その後は抽出液の抽出方法、抽出液の同定、特許取得、さらに綿素材への塗布、抗菌性の証明などの積み重ねを行ってきました。結論的に効果が確認できたことから、2006年度の中部経済産業局の「新連携」認定にチャレンジし、2月15日付けで認定されました。

 今回の認定は、会員企業2社(抽出液製造技術とシャクヤク抽出液の繊維への付着ノウハウを持つコア企業の東海オールセット(株)と、学校制服販売の(株)ハヤシヤ商事)が中心となり、大手繊維企業、制服販売企業などが協力する形で、高等専門学校生の制服に使うというモデルが採用されました。

 連携体の構成図

外部の知恵と援助の大きさ実感

 これまで研究会は、三重県産業支援センターの中の研究会として活動し、支援センター派遣のコーディネーター、三重県特許流通センターの指導援助を受けながら商品化を進めてきました。商品化する上でセンター派遣のコーディネーター、三重県特許流通センターの指導援助は、決定的な力となり、改めて外部の知恵と援助の大きさを実感することとなりました。

 今後、学生服を皮切りに、さまざまな分野への商品化を考えており、すでに4社で商品化研究会を作って動き出しています。

地域に仕事を作ろう

 「ビタミンみえ」では、このほか、すでに「SWEETみえ」(新エネルギー研究)を立ち上げ、モデル企業での実験に取りかかるとともに、同友会事務局の会議室をモデルルームとして事業展開のめどをつけつつあります。また、「ビタミンIT」も動き出すなど、3年目を経てようやく事業が動き出しつつあります。

 「ビタミンみえ」のモデルは兵庫同友会の「アドック神戸」。「ビタミンみえ」では、生みの母体である「アドック神戸」に学び、さらに事業創出に努力しようと話し合っています。

 「ビタミンみえ」は、もともと「地域内に仕事を作る」「若者に夢のある企業を作る」「企業間のネットワークを作る」ことを目的に進めてきましたが、今年度はこの動きをさらに加速し、新たな事業を作り出そうと取り組んでいます。

「中小企業家しんぶん」 2007年 3月 25日号より