地域に果たす役割考 福知山支部(京都) 福知山支部長 谷口 弘文氏((株)みつまる美容室 社長)

―地域の特徴を。

谷口 中心である福知山は京都市内から80キロメートル、古くから京都北部地域の中核地として栄えてきました。しかし最近はJA(農協)の統合による撤退、信金の合併による本店の移転などで中核地としての存在価値が薄れる傾向にあります。

―谷口さんはずっと地元ですか。

谷口 中学を卒業後すぐ京都へ出ました。20年前に綾部に帰ってきて3代目として後を継ぎましたが、この20年で商店街はズタズタになってしまいました。私が小学校のころの綾部の人口は5万5000人、今は3万8000人です。グンゼの創業の地で、昔は盆と正月には、綾部駅前にバスが何台も並び、女工さんたちを乗せてふるさとへ向かったものです。

―同友会にはいつごろかかわられたのでしょう。

谷口 入会して15年になります。しばらくは参加していませんでしたが、10年ほど前から始まった北部地域協議会(福知山・舞鶴・宮津・丹後の4支部で構成)の共同求人活動に参加したのをきっかけに、出るようになりました。それまで1人で九州の学校まででかけていって求人活動をしていましたが、みんなで学校を訪問したり先生方と懇談することで、地元の学校から採用できるようになり、同友会の威力を感じました。

 支部幹事になり、支部長の懸命な姿に接したことや全国行事への参加も、同友会運動への理解を深める上では大きかったと思います。

―支部活動の特徴を。

谷口 昨年の支部総会で「5年ビジョン」を採択しました。柱は2つで、1つは経営指針づくりです。5年間ですべての会員が経営指針を持てるようにしようとしています。もう1つは後継者問題への取り組みです。単に後を継ぐということだけでなく、事業承継をしようにも業種自体が成り立たなくなっているなどの問題が存在します。若手の会員からは、このままオヤジの仕事をやっていいのだろうかという不安の声が聞かれます。

―これからの抱負をお願いします。

谷口 支部は活性化しつつありますが、地域に果たす役割を考えるとまだまだだと思います。学びを通して多くの会員企業が元気になり、地域から“同友会はすごい”と言われるようになりたいですね。それと新しい血をたえず入れることです。この4年間必ず、期首会員数を上回って総会を迎えました。後3年半で100名会員にしたいと思います。

▼福知山支部の概要
設立 1982年
会員数 67名
役員数 17名
対象地域 福知山市、綾部市、大江町、三和町、夜久野町(人口12万2000人、企業数6800社)

「中小企業家しんぶん」2003年 10月 15日号より