地場産業支える企業づくりめざして 三条支部(新潟) 三条支部長 小嶋勝美氏((株)サンシン社長)

 新潟同友会三条支部は、今年3月3日、33名会員で発足したばかりです。新支部長の小嶋勝美氏に抱負をうかがいました。

―三条市といえばお隣の燕市とならぶ「金物の町」として有名ですが、地域の特徴を紹介ください。

小嶋 江戸時代、農家の副業として和釘を作ったことが金物づくりの始まりです。

 どちらかといえば、燕は物を作り、三条は全国に売り歩く伝統があったようです。そのため、三条は全国から情報を集め時代の先読みをする感覚は磨かれました。バブル崩壊後の危機もすばやく事業転換をはかってきました。

 異業種交流も昔から盛んで、燕地域の人たちを含めて15~16のグループが活発に活動を続けています。

―小嶋さんのお仕事も金型で地場産業ですね。

小嶋 私の身内には金型屋が多く、私は29年前、30歳で創業し、ロストワックス金型を始めました。これは、場所をとらず、設備も容易にできる金型です。今は、取引先のエリアが岩手から広島まで広がっています。金型は1時中国に流れましたが、また戻ってきていますね。品質保証、短納期、設計変更にこまめにこたえていけるからです。

 今後の経営課題は、大手にできない匠の技を生かせる仕事に特化していくことです。当社には、商業高校卒5年目の若い女性がCAD、NC機械を使いこなし、良い仕事をしていますよ。

―これからの三条支部の展望をお聞かせください。

小嶋 支部会員の5割がメーカーです。鍍金、鍛造、溶接、鋳物、プレス、金型等すべての業種が関連して地場産業を構成しており、行政や地元金融関係も熱心に応援してくれています。

 新潟経営大学、長岡技術科学大学との連携も盛んな土地柄ですので、同友会の自主独立の企業づくりの精神を生かして、地域の活性化に寄与できる企業づくりをめざすことですね。後継者問題も重要です。

 まず、例会を充実し、当面50名の支部にしたいと考えています。

▼三条支部の概要
設立 2004年3月
会員数 33名
役員数 11名
対象地域 三条市(人口8万5048人、企業数1597社)

「中小企業家しんぶん」 2004年 5月 15日号より