役員会での経営談義で深く学ぶ 沼田支部(群馬) 沼田支部長 澤浦 彰治氏(グリンリーフ(株)社長)

 このインタビューは、東京で開かれた「新・農業人フェア」(全国から28社の農業法人と36都道県が出展)の会場で行われました。農業への転職・就職を考える人向けに毎年開かれているもので、沼田支部から3社が出展しました。

―地域の特徴を。

澤浦 沼田市と利根郡、および吾妻郡嬬恋村が対象です。農業・林業が中心で、沼田市の製造出荷額の6割を木工製品が占めています。尾瀬、水上温泉、多くのスキー場など、観光資源も豊富です。

―当日出展していた沼田支部会員の須藤泰人氏((有)ロマンチック デーリィファーム)によれば、首都圏出身でこの地域の農業に従事する意欲のある若者が増えているそうですね。ところで、入会のきっかけは。

澤浦 地域にいる先輩に勧められて、11年前に入会しました。創業間もない時期で、勉強に飢えていたので、同友会での真剣な討論に好印象をもちました。まだバブル時代の名残りがあり、周りを見てもまじめに勉強する雰囲気がなかったので、同友会での学びはとてもうれしかったですね。

―同友会で学ばれたことは。

澤浦 なんと言っても経営指針ですね。2年連続して、指針づくりの勉強会に出て、それ以降は自力で毎年作ってきました。農家の集まりだけしか出ておらず、他の産業がどうなっているか全く知りませんでした。農業の世界では運転資金を借りると経営が悪化していると見られるので、避けたがるのですが、他の業界では、事業を拡大していく時に借金をするのは当たり前のことであることに気づきました。

―支部活動の特徴を。

澤浦 通常の例会以外に、社員教育例会として年4回、社員とともに学ぶ例会を開いています。時には社員に問題提起もしてもらいます。グループ討論は、経営者と社員は分けて行っています。時には出張例会もあり、富山県まで工場見学に行く例会も企画しました。支部の役員会として運営委員会がありますが、会員はだれでも参加できます。決めなければならないことは、短時間で終え、後は深い経営談義が行われるので、例会より集まることもあります。

(最後に、須藤さんに支部長評をうかがいました)

須藤 澤浦支部長は、積極的に社員を採用し、パイオニア精神を発揮して頑張っているので、他のみんなも頑張ろうという気持ちになります。自分たちが作ったものを自分たちで決めた値段でスーパー等に売るために、出荷組合を作ってきたバイタリティーには感服します。

▼沼田支部の概要
設立 1990年
会員数 42名
役員数 12名
対象地域 沼田市、利根郡、吾妻郡嬬恋村(人口10万人、企業数1400社)

「中小企業家しんぶん」 2004年 9月 15日号より