若い経営者の出番をつくる 千代田支部(東京) 千代田支部長 松永 裕之氏((株)クローバーセンター社長)

―千代田区の特徴は。

松永 皇居を真ん中に、南側は主に国会をはじめとして国の中枢機関が集まっています。

 北側は中小企業が多いですね。今でも出版・印刷業は千代田の地場産業的色合いがあります。神保町の古本屋街、秋葉原の電気街、神田界隈などの雑踏は活気があります。

 もっとも、地元に住んでいる経営者は大変少なく、地元で仕事をするという感覚、地域密着という感じは希薄です。

―入会のきっかけは。

松永 同友会からダイレクトメールが届き、共同求人に魅力を感じて入会しました。1985年、38歳の時でした。33歳で後継者になり、すぐに新卒採用に取り組み、リクルートを使い、1年目は1人採れましたが、翌年からは全くダメでした。共同求人では初年度から5人採用することができ、そのうちの1人は、今も営業部次長として頑張っています。

―同友会で学ばれたことは。

松永 やはり共同求人活動に参加して学んだことが大きいです。先輩の皆さんから「就業規則はあるの」「経営計画はどうなってるの」と、たくさんの指摘を受け、1つひとつ改善してきました。新卒を採用することは、間違いなく経営者と企業が成長する早道だと思いますね。共同求人に参加しなければ、今の当社はありませんでした。共同求人は経営者の登竜門といってもいいくらいです。

 青年経営者懇話会の影響も大きかったです。三十代で生意気盛りだったんですが、同じ世代の連中がこんなに真剣に勉強しているのか、と触発されました。

―千代田支部の特徴を。

松永 田山謙堂さん、田村寿雄さんと中同協会長を2人も輩出しています。最盛期は会員数250名を数え東京同友会で最大の支部でしたが現在は110名台です。昨年から、会員数の減少に歯止めがかかり、上向きに転じました。

 例会の充実はもちろん課題ですが、経営指針作りを行う「ミニ経営塾」が好評です。50歳以下と会員歴1年以下の方が対象で、若い人の出番をつくることにつながっています。

―最後に支部長としての抱負を。

松永 歴史ある支部の名に恥じないよう発展させていきたいと思います。特に来年は、女性経営者と若い経営者の増強に重点的に取りみます。

▼千代田支部の概要
設立 1972年
会員数 114名
役員数 27名
対象地域 千代田区(人口3万6000人、企業数1万7000社)

「中小企業家しんぶん」 2004年 11月 15日号より