「2代目創業者」めざす
福井同友会青年部部長 南後 伸二氏
事業の継承に悩んで
私が青年部に入会した当時の一番の悩みは、「どのように事業を継承していくか」ということでした。
創業者である父をご承知の方は理解していただけるのですが、社長は独特(特殊?)な個性のスーパーセールスマンで、迫力もあり、何でも売ってしまうような雰囲気を持っています。
実際に売り上げや粗利の多くの部分を社長の力で占めているのです。この販売力は継承が難しく、個人の性格(キャラクター)に左右されてしまうので、後継者の私としては一番厄介な問題であり、悩みでした。
青年部のメンバーの中にも、同じような悩みを持っている方が多く、集まるたびに「社長の頭が硬い」「やり方が古い」など、若さにまかせ、思いつくまま夢を語り合い、酒を酌み交わし、互いの傷をなめあっていました。
そんな時、ある例会で「後継者から社長にもの申す」というテーマでディスカッションがありました。
考えを一変させられて
ここぞとばかり、自分たちの主張の正当性と斬新さをぶつけました。お腹いっぱいのいい気持ちに浸っていたまさにその時、私の考えを一変させるひと言に出合いました。
「後継者、後継者って、だれがお前たちを後継者って決めたんだ?」
ガツーンと頭をたたかれた気がしました。自分が後継者だと頭から決め付けていた、自分らしさを何も作り出していない、行動に移していない自分自身に気がついたのです。
創業者とは違うことを
現在あるものは最大限に利用し、創業者の社長とは異なる自分にしかできないことを作り出していきたいと思いました。
この考え方の下に私は「2代目創業者」という意識で仕事に臨んでいます。まだまだ思いつきの段階から抜け出せていませんが、意識の改革はできたと思うのです。
これからも青年部のメンバーと共に切磋琢磨(せっさたくま)して、お互いに経営者として成長できる活動を青年部の中で進めていきます。
((株)綜合ギフト主任)
●福井同友会「青年部」
設立 1998年
会員数 30名(同友会会員26名、会員企業の後継者4名)
対象 40歳未満
「中小企業家しんぶん」 2003年 3月 5日号より