同友会と地域にとっての会員増強の意義【中同協】

地域の発展を支える力に

 今回は、同友会と地域にとっての会員増強の意義について考えてみます。

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 同友会は学びあう組織であり、基本となる学びのスタイルは、お互いの経営体験から学ぶところにあります。

 会員が増えることで、より多くの経営体験から学ぶことができます。同時に、より多くの経営者から、自分と自社に対しての意見を聞くことができます。従来から、「会員が増えることは辞書の1ページが増えること」と言われてきた所以(ゆえん)です。

組織活性化を促進

 組織は新しいメンバーが絶えず加わることで活性化します。新しい会員の入会は同友会に新風を吹かせます。例会等で同友会の学びに初めて接した時の、新会員の皆さんの新鮮な受け止めや感動は、学びがいのある組織づくりへの原動力となります。また新会員の方々の同友会への定着を援助するために、役員が分担してフォローすることで強い組織となっていきます。

同友会への期待に見合う会勢を

 同友会が大きくなることは豊かな地域づくりの土台となる力が増大するということです。

 自主的な任意の団体としての同友会への期待は、各地域で高まっています。行政・金融機関・学校などからの期待が高まる根拠は、真剣に学びあい、企業づくりに励む活動を基礎に地域づくりを考えている同友会の姿勢にあります。

 しかしながら、地域に果たす同友会の役割に比較して、会員数が少ないことは、地域の関係機関からも指摘のあるところです。さらに多くの中小企業家の体験と知恵を集める組織、その声を代表できる組織にすることは、同友会の社会的責任とも言えます。

中小企業憲章実現への道

 同友会の会員が増えることは、地域の人々の暮らしを豊かなものにし、雇用を拡大する保障です。

 地域に密着した新しい仕事を創(つく)り出す基地としての中小企業を増やすこと、また、地域の将来を担う人材を雇用し育てる“頼れる学校”としての中小企業を増やすことは、地域の永続的発展を支える力となります。そして、中小企業についての正確な認識を国民の中に広げ、中小企業憲章実現への道をひらきます。

中同協事務局長 蓮見 成男

「中小企業家しんぶん」 2007年 1月 15日号から