広島同友会呉支部広南地区会会長
廣本祐三氏(廣本鉄工所専務)
―会員を増やす原動力は。
廣本 1人でも多くの地域内の経営者に、経営理念を確立してもらいたいという思いが、仲間を増やす力になっています。
経営理念を確立することが、いい会社づくりの第一歩です。それを痛感したのは、金融機関の人が、わが社に来た時、経営指針づくり、特に経営理念の話をしたところ、大変共感してもらえたことからです。
―増やすための具体的な手立ては。
廣本 入会対象者のリストアップにいちばん力を入れています。役員会で年に5、6回ミーティングを行っています。取引先のリストや年賀状を持ち寄り、お互いに知っている人がいないか情報を交換します。
リストアップされた30~40名について、どの人にだれがあたるかという担当を決め、次回の役員会までにあたります。進行状況は、会長、副会長がチェックします。
―どういう入会の勧め方をしていますか。
廣本 15年くらい前までは、「つきあいだから入ってほしい」「飲み会もあるから」という誘い方をして入会してもらうことも多かったのですが、今はまったく違います。
3年前の暮れに入会されたAさんは、気軽に開業したものの、経営についてはまったくわからないため、身を削って頑張っても利益の上がる会社にならず、もがき苦しんでいました。それが地区例会、県例会、全国行事、経営指針作りに次々と参加し、見事に経営体質を変えていきました。Aさんは、そんな成果に確信をもって、会員増強も頑張っています。
10年前に退会した人に最近会いましたが、「同友会って飲み会じゃないか」と昔の印象のままで、残念でした。
―今年の増強は。
廣本 今年度の増強目標は10名ですが、すでに11名入会しました。昨年は目標が達成できなかったのですが、今年は役員が本気になったことが大きかったです。2月14日には、昨年度に引き続いて公開例会を開き、その準備で地域内のローラー作戦を行い、ちらしを配布しました。今年度は、呉支部の6つの地区会すべてが目標を達成できそうな勢いです。
経営理念を掲げ、実践する会社が増えることで、同友会と地域は変わっていきます。「同友会の企業なら仕事を任せて大丈夫」と言われるようにしたいですね。
「中小企業家しんぶん」 2007年 3月 5日号から